D.Gray-man
□第6夜
1ページ/8ページ
アレンと伯爵の攻防が始まった。伯爵はその手で黒い球体を作りアレンに当てようとするが、素早い動きでアレンはそれを避けて距離を開ける。
アレンの登場により、闘いは一旦休止になった。伯爵やノアが姿を消したのだ
戦場から離れた地に辛うじて残っていた石造りの橋の下で、教団側の人間は全員集まり怪我人の治療や今後について話し合うことになった
リナリーはミランダのイノセンスの効果で目を覚ました
ミランダを始めとしたエクソシスト達が安心したように息を吐く
そして、頃合いを見てブックマンとティエドール元帥が話し出す
「…護衛のキミ達はマリアンと改造アクマの立てた筋書きの囮に使われたんだよ?わかってる?」
「はい。警告を受けた上で来ましたので予想はしておりました」
「ん〜、カナはどうしているんだい?この前、教団に帰った時にいなくてね、コムイからは長期任務に行ったとしか聞かされていないんだ。ユウくんも居場所を連絡されていないものだから、」
そう言ってティエドール元帥はユウを見やる
彼はティエドール元帥の言葉と視線を完全に無視している
「機嫌が悪くてね。この混乱の時だ、もしかしたら君達と一緒にいるかもしれないと思ったけれどいないみたいだね。この事態から予想するに、マリアンのところにいるんだろう?」
ラビとアレンは、(ユウ/神田はいつも機嫌が悪いさ/です。)と思いながらもあえて口には出さなかった
「カナ嬢は、クロス元帥のそばにいると聞いておる。わしらもそこまでしか知らん」
ブックマンはクロスの改造AKUMAから聞いたことを伝えた
ティエドール元帥はくせっ毛の頭を無造作に掻く。
「…今、この世に存在するエクソシストは教団にいるヘブラスカとソカロとクラウド。マリアンとカナ…そしてここにいるたった10人しかいなくなってしまったんだよ。ならば今は千年伯爵と戦う時じゃないし、キミ達はそれまで生き存えるのも使徒としての使命だと私は考える。クロス部隊は即刻、戦線を離脱すべきじゃないか」
沈黙する一同
現状を冷静に告げられ、敵との戦いで知ってしまった力の差にクロス部隊は考え込む
何の前触れもなく、リナリーの地面にペンタクルが浮かぶ。それは光を放ち、リナリーを地面に吸い込んでいく。
「!」
「リナっ…」
リナリーの吸い込まれたペンタクルにアレンが突っ込む。それを見たラビがアレンを追うように吸い込まれていく。
「…き…っ消えた…!?」
「チャオジーがいない…!」
「ラビ…クロウリー、神田も…」
突然の出来事に呆気に取られていると、
「何だアレ!空から変なものが…!!」
誘われるように全員が空を見上げる。空はジクソーパズルのような模様を描き、中心からピースがどんどん崩れていく。
「神よ…こんなことが…」
「なんだ…あの物体は…」
崩れた空からルービックキューブのような箱が現れた。