D.Gray-man
□第10夜
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「ふたりとも!大丈夫!?」
ようやく地響きも収まり
婦長は明かりを持ってラビとリナリーの所に走ってきた
「ヘーキ。すげぇ揺れだったさ、みんな大丈夫?」
「私達は大丈夫よ。部屋はすごい有様だけど」
「クロちゃん今のでも起きねェの!?」
ポタッ…
「ラビ!腕切ってるよ!」
「あ?あぁ、照明とか落ちてきたから…。大丈夫さ、こんくらい」
「なにカッコつけてるの。来なさい。手当てするから」
「つけてねぇよ、平気だって」
「あら?ケガ人を手当てするのが私の仕事なんだけど?何か?」
「すみませんッ!」
鬼の形相でラビに説教をしながら手当てをしていく婦長
婦長は床に落ちたガラスの破片を見て
靴を脱ぎ始めた
「リナリー、私の靴を履きなさい。素足は危ないわ」
「え!?いいよ!それじゃ婦長が危ない!」
「そうさ!婦長危ねェって!靴ならオレのブーツ貸すから!」
「お黙り。あなた達にケガされると私の仕事が増えるのよ」
「「すみませんッ!!!」」
「まったくエクソシストは傷に慣れすぎだわ!何ッ回言えば分かってもらえるのかしら!……ホントここは大変。生意気な怪我人やら、仕事中毒やら…ナースの言うことなんて誰も聞きゃしないんだから…」
「……」
「きつくない?サイズは大丈夫だと思うけど…」
「…あったかい。婦長の靴……」
履き忘れたんじゃないの
すぐにヘブラスカの所に行って
シンクロするつもりだったから
わざと履かなかったの
だって
そうしないと
自分が怖かったから…
「足…あったかい。…あったかいね…」
イノセンスは酷く冷たくて
とっても暗くて辛い
「…ぅ…っ…」
「ここにいましょう、リナリー。イノセンスを体内に入れるだなんてやめて…。室長の気持ちもわかっているでしょう…?」
「私…っ兄さんを悲しませる気なんてなかったの…っ…!!そんなつもりじゃ…っでもどうしよう…っ…!!兄さん泣いてた…っ私の言葉はきっと兄さんを責めてた…っ!!」
自分が死んでもいいだなんて
思ってない
生きたい
兄さんやみんなと
でもその為には
戦わないといけないから
私は
エクソシストで
平和な世界を守るためには
イノセンスで戦うしかない
私には
戦うことしかできないから
次にシンクロする時は…覚悟は必要だと思う…
「イノセンスなんて大っきらい!!!どうしてこんなに苦しまなくちゃいけないの!?どうして兄さんを苦しめるの!!!」
「―…」
ヴ――
《第五研究室壊滅。アクマ研究室外に侵攻しました!!》
「「「!!!!」」」
《数は一体!現在レベル4に進化した模様!》
「なに…っ!?」
《エクソシストがアクマに応戦中!!第五研究室内のエクソシストの安否は確認できません!繰り返す!アクマレベル4が科学班フロアに侵攻中!!》
「―!!!」
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