T

□さよなら世界
1ページ/1ページ




(うっ、あぁあああ……!)
痛い痛い痛い、痛い。

意識を、
持っていかれそうだ。

「……」
意識、視線を外すもんか。
   ズキン
(あぁ)痛みが。


   ギリギリギ…

引きつり熱く動けない。

(やめてくれ)
なぞ言うか。

(まだまだ)
吐き出したい。
(足りないのか?)

喉一杯に、何かが押し込まれてくる。

体の中から何かがせり押されている。

空気、が足りない。
(はぁッ、)
浅い呼吸を繰り返し繰り返し、違うこんなんじゃあ誤魔化せない。

   …リギリギリ
躰の芯から響く。骨と骨と肉が、
ぶつかって。
(息をさせろ!)

「…うっ」
咄嗟に出た声に歯軋りした。なのに、声に出るのは、擬音のみ。


痛みに集中すれば吐き気のする行為に耐えられるんだろうか。


のし掛かる影に怯えるのはゴメンだ。

自分の身に取り込んでしまえと、
「……」

つまらない遊びに誘ったのは、僕のほうからだった。






[END]
20071122

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ