【Web拍手お礼部屋】
□下着売り場・藤堂編
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【下着売り場・藤堂編】
「ん〜と、お、お前だったらさ、どれでも似合うと思うんだ!」
意気揚々と言い放つ平助君だけど、その視線は宙をさまよっている。
若干ながら、声も上擦っているが、そこは見逃してあげることにした。
「どういうのが良いかな?」
「お・・・俺はシンプルな方が良いと思うんだけどさ!」
そっぽを向いて、いつになく饒舌な平助君が何だか可愛らしい。
「てゆーか、男がこんなとこにいんの恥ずかしいから、早くしろよな!」
平気そうなフリをしていても、やっぱり動揺しているみたいだ。
「分かったよ。じゃぁ、平助君が選んでよ」
落ち着きがなくチョロチョロと辺りを見回す平助君は、とても挙動不審だ。
見ていて面白いと言ったら怒るだろうか。
「こ、これとか良いんじゃねーか?」
平助君が持ってきたのは、黄色い生地のシンプルな下着だった。
よく見ると、シンプルながらもレースが編みこんであって結構凝ったデザインだ。
「うん、可愛い。気に入ったよ。これにするね!」
「そ、そっか・・・。良かったな」
平助君は、ホッとしたように安堵の笑みを浮かべた。
「もう少し見て行こうか?」
「だ・・・だから早くしろってば・・・!」
うろたえる平助くんが面白くて、込み上げてくる笑いが止まらなかった。