その1
□Jealousy *
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きっかけは、ほんの些細な日常で。
ルフィが、ゾロに抱きついた。
それにゾロが笑って、頭を優しくぽんぽんとした。
ただそれだけの光景に、サンジの胸はちくりと痛んだ。
尤も、初めてのことではないし、ナミやロビンだって寝ているゾロの頭を撫でていたりはする。
それでも、サンジの胸には何かもやもやとしたものが残って。
それから、ルフィとゾロが触れ合っているのを見る度に、そのもやもやは大きくなり、やがてイライラに変わった。
それが何なのか、なんて、サンジにはとっくに分かっているのだけれど、分かりたくなくて。
ただただ、煙草の本数が日に日に増えていった。
そんな時、島に着いたから。
サンジは何も言わずに、ゾロを連れて一番に船を下りた。
そうして手を一度も離さないまま、最初に目についた宿にゾロを連れ込んだ。
フロントで奪うようにして鍵をもらい、部屋に入ってドアを閉めると、ゾロが呆れたような声で言った。
「んな焦んなくても、俺は逃げねぇよ」
その態度が、何だか余裕そうに見えて、サンジはそれにむかついて。
「うるせぇ。てめぇは黙ってろ」
と言うと、その声色から何かを感じたのか、ゾロはそれきり押し黙った。
サンジはゾロをベッドの前に座らせると、ネクタイをしゅるりと解き、それでゾロを目隠ししてしまった。
さすがのゾロも、何をされているのか分からず、とにかく目隠しを取ろうと暴れ出す。
しかし、サンジはそれを押さえ付け、ゾロの手と足を何かで縛り付けて、身動きが取れないようにしてしまった。
そのまま、サンジの気配は一旦遠ざかったが、またすぐに戻ってきて、ゾロの服を脱がせ始めた。
ゾロはもう、抵抗しようとは思わなかった。
自分がサンジに対して何をしたのかは分からないが、とにかくサンジがとても怒っている−
というか、苛立っている、ということは十分に伝わってきて。
下手に抵抗しない方が身のためだ、と判断したのだ。
サンジにされるがままに服を脱がされ、すっかり全裸になったところで、ゾロは目隠しを外される。
「っ…!!」
目隠しを外されたゾロの目に一番に飛び込んできたのは、大きな鏡に映る、生まれたままの己の姿で。
「てめっ…何の真似だ!!」
ゾロは声を荒げる。
が、手を拘束されている上に、後ろからサンジが押さえ付けるように抱きしめているため、暴れることはできない。
足の拘束は解かれてはいたが、サンジの脚によって大きく開脚させられた状態で固定されていた。
「おい、聞いてんのかよっ?!何だってこんな…っ」
サンジは、もがくゾロに構わず、ゾロの身体に舌を這わせ始める。
項を舐められ、背中にキスをされ、耳たぶを甘噛みされて、ゾロは息を詰めた。
サンジの指が胸の飾りを摘むと、ゾロの身体はビクリと跳ねる。
それを見て、サンジはふっと笑った。
「相変わらず、感度いいな」
「っ…」
いつもはゾロが嫌がるまで弄っているのだが、今日はそこそこに切り上げて、サンジは中指をゾロの後ろに突き立てた。
そして、ほんの申し訳程度にしか濡らしていない指を、強引にゾロの中に捩込んだ。
その痛みに、ゾロの表情が歪む。
「うっ、く…痛…」
しかし、サンジはそんなゾロにはお構いなく、人差し指も追加した。
「いっ、ぁ…やめ、痛ぇ…っ」
「んだよ。痛ぇの強いだろ?」
ちっとは我慢しやがれ、とさらにもう一本捩込まれた。