パラレル

□love'in you
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男子高校生が、2人で街を歩いていたとしたら、一般的にはどう見られるのだろう。

仲の良い友達か、あるいは…

人によっては、カップルとでも映るのだろうか。

では、俺の場合はどうなるのだろう。

友達というラインは越えてしまっている。

…というか、俺が勝手に越えたのだが。

3日前、成り行きで告ってしまったが、コイツは何の反応も示してこない。

つまり、YESともNOとも言われていないということだ。

カップルならば、多少の差はあれ、想い合っているのだろうから、すなわちこれでもない。

では一体、この状態は何なのだ。

そんなことを悶々と考えながら、隣を歩いている相手−ロロノア・ゾロを見つめた。

今にもほどけそうなくらいに緩く結ばれたネクタイ。

左耳には三連ピアス。

そして極めつけは、緑色をした髪。

例えるなら…

そう。

ちょうどマリモのような頭をしている。

こんな目立つ格好をしているから、売られるケンカの数もハンパではない。

しかも、売られたケンカはすべて買うというのだから、大したものだ。

なんでも、竹刀の類を持たせれば負けることはない…らしい。

らしい、というのは、未だにゾロが竹刀を握っているところを見たことがないからだ。

入学当時は、剣道部からしつこくお呼びがかかったらしいが、コイツは頑なに無視を決め込んだ。

その代わりにお世話になっているのが生徒指導の先公で、これがまた剣道部の顧問だったのだから笑わせる。

下手をしたら、部活の奴らよりもよっぽど世話になっているのかもしれない。

まあ、俺としてはコイツが先公の世話になろうがなるまいが、さほど関係はない。

が。

先ほども言ったように、ゾロの格好はやたらと目立つ。

おかげで周りの視線が気になって仕方がない。

しかも、当の本人は全く気にしていない…というか、気づいていないのだから、困ったものだ。

そういえば、歩き出してから、一言も会話を交わしていない。

…というか、どこへ行くのだろう。

「行きたいところがあるから、ついて来てくれないか」

そう言われたから、今こうして一緒に歩いているのだ。

行き先くらい教えてくれたっていいだろう。

「なあ」

「あん?」

「どこ行くんだ?」

「…言わね」

むう…

このマリモ頭め。

一体いつまで俺を歩かせるんだ。


ていうか…

あれ??
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