短編・中編
□吹雪のち晴れ
1ページ/4ページ
「可愛いな…」
ポツリ。と誰にも聞こえないくらいの声で呟いてみる。
それは、近いようで遠い‥サッカー部のマネージャーである、あの子に向けた言葉だった。
――――――そう。
僕の気持ちは片想い。
意気地のない僕にとって彼女、
名字名前はとても手の届かない存在。
――――――――――――
そんなある日のことだった。
「練習止め!今日はここまでだ。」
鬼道くんの掛け声と同時に、みんなが練習をやめた。
「もう俺、動けないっス…」
「ウシシッ!もっと体力つけたほうがいいんじゃない?」
ガヤガヤと片付けが始まる。
そんな中、彼女を横目で何気なく見ると…
ドキっ!!
「っ!!?//」
ふと、目が合ってしまった。
それだけのことなのに、これ以上はないくらいに僕の胸は高まった。
しかも、目が合った瞬間に名前ちゃんがニコリと笑うものだから、
僕はいろいろな意味で限界寸前だ。
彼女は僕を殺す気なのだろうか…
_