長編

□スイーツ始めました。
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――――――

「名前ちゃん、お菓子は何のためにあるか知ってるかい?」



『うーん…おいしいからっ!!』



「ふふ…そうやね。美味しいお菓子は皆を笑顔にするためにあるのよ。だから名前ちゃんも婆ちゃんと沢山美味しいお菓子作ろうね〜。」



『うんっ!私、皆を笑顔にできるように頑張るね!お婆ちゃん!!』




―――――――――



ジリリリリ…!



『お婆…ちゃ………ん?あれ…?なんだ夢か…』


またずいぶんと懐かしい夢を…



ああ、みなさんおはようございます。


私、名字名前と申します。



ちなみに…なんと今日は特別な日なのです!



生まれてこのかた‥ずーーっと田舎暮らしをしてきた私が、とうとう都会…江戸へ旅立つ日なのです!!



え?どうしてかって?


フフフ…いいですよ。教えてあげましょう!


―――――――


私は小さいころからお婆ちゃんが大好きだった。


まぁ、つまり“お婆ちゃんっ子”というやつで。



私の父と母は、家庭内の複雑な事情により家を出ていってしまった。



だから私を女手1つで育ててくれたのも婆ちゃんだ。



―――だが…


そんな婆ちゃんも、不治の病に倒れ…かえらぬ人となってしまった… 。



そして、お婆ちゃんは死に際に私にこう言った。




「名前ちゃん、あんたはここでとどまるべきじゃないわ。婆ちゃんの変わりにもっと沢山の人を笑顔にしてあげてほしい。…それが…婆ちゃんの最期のお願い。」




―――そう。お婆ちゃんは私に自分の夢を託してくれたのだ。



だから私は今まで婆ちゃんに教わってきたお菓子作りの技術で、夢を叶えるためにたくさんの人がいる都会…


江戸へ旅立つことを決めたのです。







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