企画部屋

□桜火様リクエスト(100000hit)
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私の名前は名字名前。


神様に選ばれた特別な子。



退屈な日々に嫌気がさして、私は毎日お願いしたの。



……そうしたら、叶えてくれた。



私は見捨てられていなかったの…!



誰よりも可愛い顔、誰よりも可愛い声。周りが釘付けになる容姿を手に入れた私は、私が一番大好きな世界に降り立った。



……ああ、早く私を愛しなさい…!





―――――――――




―――――――







「皆さん初めましてぇ!名字名前ですぅ!v」



神様の計らいで、私はうたプリの世界の…しかも、Sクラスに転入する事になった。



甘い微笑みを作って自己紹介をする。





ふふっ…見てるわ…!


翔にトキヤ、レンまで…!


私の笑顔に釘付けなのね!



龍「んじゃ、名字、席に着け。」



「はぁいv」



きゃっ!龍也もかっこいい!!こんなに近くで見られるなんて…!



龍「ん?なんだ?俺の顔に何か付いてるか?」



「あっ…い、いいえ…その…先生が格好良くて…//つい見とれちゃってたんですぅ…///」



龍「(ゾクッ…)…?そ、そうか…サンキュ。(なんか寒気が…)」



私は先生にもう一度微笑んでから席へ着く。



右隣は翔。あとはモブ。



なるほど…まずは翔から攻略しろってことね!



「隣、よろしくねぇ!」


翔「おう!俺は来栖翔!よろしくな!」


翔は人懐っこい笑顔で自己紹介してくれた。



ふふっ…やっぱり男は皆、可愛い子の笑顔に弱いのね。





――――――――



――――――



昼休み。




他のキャラと親睦を深めるチャンス!



レン…は、


モブの女共に囲まれてるわ…。




でも、この私にそんな事は関係ない。



私みたいな可愛い子が近付けば、モブなんて掻き分けて来てくれるに決まってるわ。




A子「レン樣ぁ、お昼ご一緒しませんかぁ???」



B子「あたし、お弁当作ってきたの〜!」



神「ごめんね、レディ。今日は先約があるんだ。」



そう…そうよ!レンは私のところへ来るんだから…!




神「埋め合わせは今度…、ね?」



C子「絶対ぜ〜ったいだからねぇ?」


D子「じゃあ私、今度クッキー作ってくるから食べてねっ!」



神「ありがとうレディ。じゃあ、また」



いよいよだわ…!レン…!









スタスタ…ガチャ、


…バタン





「…………………え?」



レンは私に目もくれず、教室を出ていってしまった。




なんでなんでなんで…!



翔「あっ!レンの奴先に行きやがった!トキヤ、俺たちも早くいくぞ!」



一「わかってます…、そう急かさないで下さい。」



レンに続いて教室を出ていく翔とトキヤ。



……これはもしかして…


プリンス達で集まるのかしら…!





だったら好都合よ!Aクラスのメンバーとも親しくなるチャンス!




私はコッソリ翔達の後をつける事にした。




―――――――



――――――




翔「よっ!来たぜ〜!」


音「あっ!翔!トキヤも!」



翔達を追ってたどり着いたのは、あまり人の居ない裏庭だった。






きゃっ…!音也たちも皆居る!!


邪魔者は居ない今、あの中に入って行くという選択肢しか私の中には無かった。






お弁当持って来てないから、サオトメートに行く途中で迷子になった事にしよっと♪




「あのぉ…、」




那「あっ!あだ名が来ました〜!」



私の言葉を遮って明るい声を上げる那月。



………というか…



「(……あだ名…?)」









『…こんにちは…。はぁ…ここに来る途中に、また龍也先生に捕まったよ…人使いの荒い大人め…』


一「何を言っているんですか。困っている人が居たら手を貸すのが常識でしょう。」


『……分かったよ母さん……。』


一「投げ飛ばしますよ。」



神「まあまあ、イッチー。……ところで名前、今日も可愛いね。」



『神宮寺さんのプリティーさには負けます。』



神「‥え、」



翔「ぶふっ…!名前‥おまっ…、返事テキトーすぎんだろ…!」



音「それより名前〜お腹すいた〜…」



翔「あ!そういや俺も腹減ってたんだった!んじゃ、食べようぜ!!」



『いや…、“食べようぜ!!”じゃなくてさ……どうして私が全員分の弁当を作る事になったのか、そこんとこを詳しく教えてもらおうか…』



音「名前の手料理を食べたかったから!!」


翔「音也だけズルいから!」



那「あだ名が大好きだからです!」


『………ああ、うん‥よく分からない回答をありがとう。』


聖「名字、手間を掛けさせてしまってすまない…」


『えっ?いやいや!紳士boyな聖川さんになら毎日でも作ってきますよ私!』



音「贔屓だー!」



『人はこれを、区別と言います。』



神「レディ、もちろん俺にも毎日作ってくれるだろう?」



『…………さ、お弁当食べましょうか。』



翔「ぬかりないスルーだな。」


聖「ふっ…残念だったな神宮寺。」



神「聖川…ケンカ売ってるのか…?」



『はいはい、落ち着きましょうねー。神宮寺さんのために辛口のおかずも作ってきましたから』


神「!!…俺のために…かい?」


『はい。神宮寺さんのため、です。』



神「名前…!!」





翔「…レンの扱い方のスキルが確実に上がってやがる…(ボソッ)」




――――――――



―――――






なによ…!!



なんなのなんなのなんなのなんなのなんなの!あの女!!!



あんな奴ゲームにもアニメにも居なかったはず…!!



私を置いてプリンスたちと親しくするなんて…!



モブのくせにでしゃばりすぎなのよ!!!



みんなあの女に騙されてるに決まってる…!




「許さない…」




私がみんなの目を覚ましてあげるからね…!





―――――――





[私side]



昼。



私は、なぜかプリンス組全員分のお弁当を持って裏庭に来ていた。



…なぜこうなった。



……たしか…音也くんの、


「わぁ!名前のお弁当美味しそうだねっ!」


…という発言が発端だった気が……



くそう…いつもはサオトメートとかで買って済ませるのに…なんであの時に限って弁当なんか作ったんだろう…


……まあ、春ちゃんと友ちゃんとおかず交換しながらキャッキャウフフなお弁当タイムを楽しめたからいいけど!!


……なのに今日は…


その天使二人がいない…。(真顔)


簡単に回想すると、こうである。


――――――



『春ちゃん友ちゃん!私と一緒に裏庭へランデブーしよう!』



春「…ごめんなさいあだ名…今日は私、学食なんです…」


友「悪いわね、名前!ま、プリンスたちと楽しんでらっしゃい!」



『(撃沈)』




――――――


『はぁ…。仕方ない…天使が不在なので翔くんで我慢するか…』



翔「おい、なんかよく分からねぇがお前が俺をバカにしてるのはよく分かるぞ。」


『ああ…やっぱりこんなふてぶてしい天使は嫌だわ。………………、…聖川さんにしよう。』




一「名字さん、どうして今、目が合ったのに全力で逸らしたんですか答えなさい。」



『だって大魔王…、あっ、いえ、なんでもないです。』



あっぶね…今の発言してたら確実にシバかれてたわ…。セーフセーフ…



一「アウトですよ。」




『!?』



お願いだから人の心を読むのだけは止めてください。切実に。






……まあ、なんだかんだで賑やかに昼食を楽しんでいると。



「すみませぇん…ちょっといいですかぁ?」



おっ?………なにやら、可愛い子が出現!!




シュバッ!



『どうしましたお嬢さん!』



「実は私…迷子になっちゃってぇ…さ迷ってたら、翔くんが見えたからつい…」



『え、翔くんの知り合い?』



翔「ん?…あ、…名字…?」



『翔くん!こんな可愛い子と知り合いなら紹介してくれてもいいじゃん!ズルい!』



翔「ズルいってお前…;名字は今日、俺たちのクラスに転校して来たんだよ。…な?レン、トキヤ。」



一「はぁ…そうですね。」



神「…あ、うん…そうだね。」



翔「ん?珍しいな、レン。トキヤはともかく…お前が女子に対してそんな薄い反応…」



神「うん……なんだか今日は少しボーっとしてたみたいだ…。俺らしくないな…」


音「うーん……あっ!もしかして…、名前の手料理のことで頭がいっぱいでそれどころじゃなかったとか!」



神「!!…よくわかったね、イッキ。」



『ここ笑うところですよね?』



那「僕だって今日が楽しみで、ず〜っとウズウズしてました!」



『あ、うん、ありがとう那月くん。』



「ふふっ…楽しそう、ですねぇ…?」



『あ、そういえば…名字さんは何処へ行く途中で迷子になったんですか?』



「お昼ご飯を買うためにサオトメートを目指してたんですけどぉ…………でもぉ、迷子になっちゃってぇ…しかも、おサイフを忘れちゃってたことに気づいて…困ってたんですぅ」



『ドジッ娘萌え!!』



「………は?」




『よければ私達と食べませんか!食べましょう!可愛い子大歓迎!!』



「えっ?いいんですかぁ?」



『もちろん!名字さんのお口に合うか分かりませんが!』



「やだなぁ〜、そんなことないよぉ!それに、名字さんなんて他人行儀じゃないっ!名前でいいよぉ〜?私も名前ちゃんって呼ぶねぇ?」



『あ、うん!名前ちゃんね!よろしく!』



なんと、私に新しい友達ができました。



―――――――



―――――



[名前side]





「あ!この玉子焼きおいしいっ!音也にも取ってあげるねぇ!」



音「えっ?あ、ありがとう…」



ふふっ!順調にプリンスたちの好感度が上がっていってるわ…!


みんなが私を奪い合うのも時間の問題…!


このモブの女もバカみたいだし、私の敵じゃないわ……!



「トキヤぁ、この唐揚げ美味しいよぉ?ほら…、」



一「いえ、私は油ものは結構です。」



「え…、」



『あっ…名前ちゃん!気にしなくていいよ!一ノ瀬さんが昆虫並みに草しか食べないのはいつものことだから。』



一「誰が虫ですか、誰が。」



『というか一ノ瀬さん!私が作った唐揚げが食べられないと言うんですか!私頑張ったのに…、』



一「ぐっ…;それは………………ま、まあ…1つくらいなら…」



『よしきた!名前ちゃん!』



「えっ…あ…はい…唐揚げ…、」



一「…………どうも。」



なによ…



那「あだ名!このタコさんウインナーとっても美味しいですよ〜!はいっ、あーん!」



『えっ、いや…一応私が作ったんだけど……』



那「はい!あ〜んっ」



『…………あ、あーん…』




なによ…なによ…!


なんで皆このバカ女ばかり構うの!?


邪魔な女…、


「…………。」





……そうだわ…邪魔なら消せばいいのね。





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