企画部屋

□桜火様リクエスト(100000hit)
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[名前side]


――――――






『名前ちゃん!用事って何かな…?』



「うん…ごめんね、いきなりこんな所に呼び出しちゃって…ちょっと相談したい事があって…、」




次の日。



私はバカ女をレコーディングルームへ呼び出していた。




ふふっ…そんなアホ面していられるのも今のうちなんだから…!





『相談…?(ハッ‥!)まさか…神宮寺さんに何かされたとか…!?』




「そんなことじゃないの。…私…、私…!」



『えっ…な…どうしたの名前ちゃん…?;』





「名前ちゃん…私ね、プリンスたちもココに呼んであるの。」



『え?あ、そうなの…?』




「ほら…聞こえる?足音が聞こえるでしょう?もうすぐ私のプリンス達が…助けに来てくれるの」



『助け…?え…さっきから何言って…』







「きゃあああああ!!」



ドサッ




『名前ちゃんんん!?;』




私は勢いよく尻餅をついた。






ガチャ…





翔「名字…?」






―――ふふっ…あなたはもう終わりよ…バカ女。










―――――――



――――――




[私side]



名前ちゃんに呼び出されてレコーディングルームへやって来た私。




……なんだか、名前ちゃんの様子がおかしくて、


熱でもあるのかと名前ちゃんの方へと手を伸ばした瞬間…







「きゃあああああ!!」




ドサッ



『名前ちゃんんん!?;』



名前ちゃんが勢いよく悲鳴を上げて尻餅をついてしまった。



思わず、私は中途半端に手を上げたまま固まってしまった。




え…、え?今…何が…




(ハッ…!!)もしかして…私が手を上げた…風圧で…?



え…そんなバカな…






尻餅をついた名前ちゃんの事を忘れて、自分の右手を凝視していると。





ガチャ…




翔「名字…?」



『……ん?あれ、みんな…、』




先ほど名前ちゃんが言った通り、プリンス組の皆がレコーディングルームへやって来た。




「翔…っ!!」




キュッ…



翔「おわっ…!?名字…?」




一「名字さん…これは一体どういう状況なんですか」



『い、一ノ瀬さん…私…、新たな能力を身につけてしまったみたいなんです…』




一「………は?」




『……っと、そんなことより…名前ちゃん!大丈夫!?』




「きゃあっ!!;近寄らないで…!!」






『…………え…?;』




「翔…っみんな…!助けて…!;名前ちゃんが…!」



聖「名字が…どうかしたのか?」




「名前ちゃんが…“私のプリンスにベタベタするな”って…突き飛ばしてきて…!;」




『へ?』



わ、私…?



しかも…私の…プリンスって…



『いやいやいや…名前ちゃ…、』





翔「…は?名字…何言ってんだ?」






「…………は?」





翔「アホな名前が、んな事するわけねぇだろ。」




アホは余計だよ翔くん…




音「名前はそんなことするような子じゃないもんね!」



那「はいっ!あだ名はと〜っても優しい子ですから!」



『音也くん…那月くん…』




神「…むしろ、名前が俺の事を“私だけのプリンス”…なんて言ってくれたら…本望なんだけどね。」



『大丈夫です、絶対言いませんから。』




聖「…とにかく…、二人とも怪我はないな?」



『…私は…全然…』



「……………。」



一「本当に…少し目を離すと貴女はすぐトラブルに巻き込まれるんですから…」



『うっ…べ、別に…好きで巻き込まれてる訳じゃ…、それに!今回のは…その…名前ちゃんも…調子が悪かっただけだと思うし…』






「…………によ、」





『……え?』








「なによ…っなんなのよ!!皆で私をコケにして楽しい!?こんなハズじゃなかったのに!!こんなハズじゃぁ…っ、」




『名前ちゃん…?;大丈夫…?;と、とりあえず落ち着いて…、』




バシンッ!




『っ…、』




「触らないでって言ってんでしょ!?あんたさえ…っ!あんたさえ居なければ…!邪魔…邪魔邪魔邪魔…!消えてよ!消えなさいよぉっ…!!」




『え…消え…る?』







翔「っいいかげんにしろ!!」



名前ちゃんの言葉をすぐに理解することができず、戸惑っていると…レコーディングルームに、翔くんの怒声が響いた。





「…………っ、」



『…翔…くん…?』







翔「なんなんだよお前…!さっきから自分の事ばっか考えて…!邪魔‥?消えろ‥?んなこと言われて傷つかねぇ奴いると思うか!?ましてや…お前ら、昨日友達になったばっかだろ!!なのになんで…!!」




「は…?友達?私は最初からそんなつもりなんてサラサラ無かったわよ。」



『え…、』



翔「お前…っ、」





『…待って、翔くん。』



翔「名前…?」





「は、何?悲劇のヒロインでも気取るつもりなのかしら?」








『………私は……嬉しかったよ。』




「………………は?」




『名前ちゃんと友達になれて…嬉しかった。』



最初はそりゃ…、美少女ヤッホイ!!…って感じの…不純な気持ちだったけど…




『私、女の子の友達…二人しか居ないんだ。』



「……だ、だから…なによ…」




『名前ちゃんが加わることによって、もっと楽しくなると思うんだ。………だから…改めて、私と友達になって下さいっ!!』



私は名前ちゃんの方へ、スッと手を差し出した。







「………本当にバカなのね、あなた。」



『へっ!?』





「あーあ…なんだかバカバカしくなってきちゃった。」



『えっ、えっ?;』




「こんなバカ女を取り囲んでるプリンス達もバカ集団よ。」



一「…覚悟はできていますか名字さん。」



『いっ、いい一ノ瀬さん抑えて抑えて…!;』




「はあ…本当は私が逆ハーを築き上げるはずだったのに…、こんな世界なら帰った方がマシよ。」



『え…世界?帰るって…、あれ!?…おかしいな…名前ちゃんの足が透けているように見えるんだけど…;』



音「え、えっ!?気のせいじゃないよコレ!?;」



那「わぁ!名字さんは妖精さんだったんですか〜?」



翔「んなわけねぇだろ那月!!;な、なんだ名字…!お前、人間じゃなかったのか…!?;……透けてるってことは…成仏か!?成仏するのか!?」



神「…これは驚いたな…。」



聖「…本当に幽霊…なのか?」



一「幽霊なんて非科学的な…。……音也、塩を持って来なさい。」




『名前ちゃん!ちょっ…待っ…!春ちゃんたちにも紹介してないのに…!消えちゃ嫌だ…!!;』



咄嗟に手を伸ばすが、名前ちゃんの体は透けていて触る事が叶わない。





「はぁぁぁー…。本当…バカばっか。」



『名前ちゃん…っ』




「何泣きそうな顔してるわけ?お人好しにも程があるでしょ。…ほんっとムカつくわね…」



『名前ちゃん…最初とキャラがまるで違う…;』



「どうでもいいでしょ、そんなこと。…私は元の世界に戻るだけ。だから……最後に一つ…いい?」



『!!うん、うん…!何っ?』



私は名前ちゃんの元へ近付いた。






「えい。」





ペラリ













『…………………へ?』





音「なっ…!!!??////」



那「…え…?」



聖「ぶふっ…////!??」



神「っ…!!」




翔「なぁっ!!!??////」



一「…―――っ!!!??////」









「やだぁ、ピンクのフリルなんてぇ、センスなぁ〜い」



『なっ…ななな…っ、』



「ふふっ…恥かいたぁ?この私を散々ムカつかせたんだもの。このくらいの事はさせてもらわないとぉ」



『なっ…////』




「んじゃねぇ〜♪」




シュン…!




















『…っ…のぉぉぉおおお!!;////』




名前ちゃんは、私の大事な何かを…奪っていきました。




――――――――



―――――――






次の日…


私達の記憶以外から、名前ちゃんの全ての事がキレイサッパリ消えていて…



やっぱり、名前ちゃんはこの世界の人間じゃなかったんだなと実感した。



………でもさ、名前ちゃん…










『この歳でスカートめくりをされるなんて…思わなかったよ…。』





-end-



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