陽炎
□1章
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「宮先輩、顔、見せてくださいよ!」
顔を洗って自分の部屋に帰ってくると部屋の前で手にいつも俺の顔を覆う布を持った蜂屋が立っていた。(あの顔は不破ではないだろう)
……ちなみに、今は手拭いを装備中なので顔を見られてはいない。
「嫌だ。見せたくないから隠しているのに、見せるわけないだろ。」
「何でですか。それくらい、良いじゃないですか。あ、何ならこの顔の下、見せてもいいですよ?」
なん、だと・・・
俺よりガードの固い蜂屋の本当の顔が見れるなんて…!!すごい見たい。
……だが、俺は騙されない!どうせ嘘なんだろ?
「何ですかその、『どうせ嘘だろ…。』みたいな顔。……まあ、嘘ですけど。見せませんよ。」
やっぱりな!そう思ったよ!俺、騙されなかった!