陽炎

□2章
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裁縫は、女が好んでするものだというイメージが輝にはあった。



その裁縫をしている所を見られたなんて!



しかも、もし裁縫が趣味だと知れたら…!






「?……輝?どうしたんだ?」






あわあわと慌てる輝を不思議に思ったのか、小平太が声をかける。




「こ、れは、その…。
掃除…そう、掃除してて出しただけで、決して今使おうとして出したわけじゃないんだ!」





「あ、ああ……?
(輝は何でそんなに慌てているのだろう。裁縫道具を見られるのが嫌だったのだろうか。)」





普段はあまり大きな声などを出さない輝があまりにも必死な様子で言い訳を言うので、小平太は首をひねった。
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