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□Chapter 11
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そのころロレットは公爵夫人の家の前に足を運んでいた。
「公爵夫人最近みてないけど…なにかあったのかな」
その時公爵夫人の家のまえでうろうろしている少年を見かけた。
ロレットは近づくと少年はビックリしたようにロレットをみた。
「ぼくどうしたの?迷子になっちゃったの?」
ロレットは背を屈め笑顔で話しかけると、少年はふるふると首をふってうつむくと小さな手で服の裾をぎゅっと掴んだ
「公爵夫人に会いに来たの?」
「アイツはもういないんだ…ハートの女王に
殺されたんだ」
その時のロレットの目の前が真っ暗になりその場にへたり込んだ。無意識に流れる涙を止めることすらせず目に光が灯らない状態でいた
「殺 された……?」
『辛いことや悩みがあったらいつでも来て
わたしは貴女の味方なんだから』
「嘘よ…また会えるって…あのとき必ず迎えに来るって」
『必ずまた会えるわ』
『あっちは危険だからロレットはここにいて!
必ず迎えに来るからね』
「はじめてで来た友達だったのに…わたし…」
ロレットの頭の中に公爵夫人の笑顔と声が響く
ロレットは涙がとめどなく流れ出た
「僕は不思議の国なんか大嫌いだッッッ!
あいつをうばったこの世界が大嫌いだ――ッッぅ…ひっ…」