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□Chapter 7
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仲良くなった男の子がアリス
わたしの命を狙うアリス
わたしの命と白ウサギの命を引き換えに本物の『アリス』になる……
「…アリ…ス」
ロレットはアリスの名前を呟くとゆっくりと目を開いた
「……んぅ」
ロレットはいつも自分が寝ている寝室のベッドに横たわっていた
ロレットは体を起こそうとすると左半身に激痛が響く
「っう……
…白ウサギ」
ロレットはあまり呂律が回らなかったが白ウサギの名前を小さな声で呟いた
その声は広い部屋に響くことなく虚しく消えていった
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「あれ
誰か来てたの?
お客さん?部屋もキレーに片付いてるし」
「チェシャ猫……」
白ウサギはチェシャ猫を鋭くにらむと鞘から剣を出してチェシャ猫に向かって構えた
「ぅあ ちょっッ待ってストップ ストップ ストップ!
今日はウサちゃんのお見舞いに来たんだからそういう物騒なのはなしにしようよ。 ね?」
「お見舞い?
僕の心配する前にさっさと手当てした方がいいんじゃないのか?
それ」
白ウサギが示した頬は真っ赤に腫れていてチェシャ猫は少し困った顔でへらへらっと笑っていた