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□Chapter 6
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黒いウサギの耳の付いた帽子の少年がキッチンをひょこっと覗いた
「あ〜あ
随分派手にちらかしたねー」
すると後ろからイラついた白ウサギが少年を乱暴にやめさせようとする
「おい 勝手なことするな。何度も言ってるだろ ここにはもう来るなって」
「先に大掃除かなぁ これは」
しかし、少年はまるで聞こえないかのようにうでまくりをしてキッチンの掃除を始めようとした
「ッ おい聞いているのかお前ッ―――「三月ウサギ」 、」
白ウサギはビックリした顔になり少年―――三月ウサギをみた。となりにいるロレットは訳がわからずただただ見ているしかなかった。
「ちゃんと名前で呼んでよ白ウサギ。君がつけてくれた名前でしょ」
「……」
すると三月ウサギは静かに白ウサギの左腕に手を伸ばして切なそうな顔をした
「また無理してるんだね…ねぇ白ウサギ。覚えてる?
初めて君と出会ったときのこと」
『お前 どうせ何もできないんだろ?
だったらウチに来いよ。ゴハン作ってやるから』
「君はとっても器用で…
なのに… 今は…」
三月ウサギは寂しそうに白ウサギをみると白ウサギの左腕が微かだが震えていた