読みモノ【短】

□赤毛とオイラ。
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今日からオイラは高校生だ。
それも男子校。

女とか居ても、煩いだけなんだよな、うん。
今付き合ってる彼女とも別れようか、と考えているくらい女っていうのは苦手だ。 …なら、彼女つくってんじゃねぇよっていう話だけど。




今日は入学式。
辺りを見渡すと、男ばかり。
まぁ 男子校だから当たり前だが。


そんな男ばかりの中に、一際目立つ華奢な赤毛。

その背後にチャラチャラした男。


「なぁ、あんた美人だな? 女?」

赤毛「…あぁ?」

見た目とは裏腹に、かなり気が強いようだ。
二人の会話を、オイラは耳を澄まして聞く。



「なぁ、オレのモノにならねぇ?」

おいおい、ド直球だな。
よく男なんかに告白できるじゃねぇかよ…


赤毛が相手の突然の告白に、どのような反応を示しているのか気になり、目を向ける。


…呆れてモノも言えないとはこのことだろう。
赤毛は口を開けてポカンとしている。
ほら見ろ、ドン引きしてるじゃねぇか。



赤毛「…はっ、冗談だろ… あ」

赤毛がオイラの視線に気付いたのか、オイラの方を向く。
そして オイラを見て口角を緩め、近付いてくる。

え、見てたのバレたか? うん


な、殴られるか…? あぁぁぁ…?
そんなことを考えていると、目の前に赤毛が立っていた。


ふいに突然抱き締められた。

泥「は「うるせぇ((小声」


赤毛は妖艶な表情でオイラを見つめながら、チャラ男に告げた。

赤毛「生憎だったな、オレは既にこの金髪のモノだ… ククッ」





…驚いた。
この赤毛、まじ美人。
あのチャラ男がモノにしたくなるのも分かる気がする。


…悪いけど、オイラの今の彼女より可愛いんじゃないか?と思うくらい。







赤毛のデマを真に受けたチャラ男は舌打ちをして、その場を去っていった。


…え、オイラどうすればいいんだ、うん?

とりあえず、この赤毛美人と話を「っ… おい、お前… 手離せよ」

え? …あ、オイラいつの間に抱き締めてたんだろうか。 全く記憶にないが、まぁ いいや。



赤毛「悪かったな、馬鹿な小芝居に付き合わせちまって。 …礼をくれてやる、なにがいい?」

泥「礼? 何でもいいのかい? つか、名前は? オイラはデイダラ」

蠍「サソリだ。 お前の髪 綺麗な金髪だな、ククッ!」

泥「えっ…」


オイラの髪を見て楽しそうに笑うサソリを見て、オイラは決心した。



泥「さっきの礼は、サソリでいいいよ」

蠍「は?」

泥「一目惚れってやつ、うん」

蠍「… 冗談だろ?」

泥「冗談じゃねぇよ」

蠍「冗談の方がありがたいがな」

泥「そういう強気なとこも良い」

蠍「…! お前ホモかよ」

泥「サソリだけだぜ、うん」

蠍「…あっそ」





続く。

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