novel

□青春の友情・努力・勝利!!
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「…本日の巡察、異常なしだそうです」





「そうか」





「……」





「……」






「では、失礼します」






「……。」





スッ





「「……」」








「おかしいな」




「あぁ…おかしい」







「「……」」




「あれ?左之さんと新八っつあん?」




「馬鹿!静かにしろって」



「うわっ!?いきなり掴まないでよ!!」









「お前ら、うるせぇよ…」









「ってかさ、二人とも何してんの?副長室の前で」



「なんかよ、土方さんと琳の様子がおかしいんだ」





「二人が?」



「昨日、捕り物から帰って来たあたりから変だと思ってたんだが、どうやら新八も違和感感じてたらしくてな。そんで見に来たってわけだ」





「あぁー…、昨日ね」




「あ!そう言えば平助!お前も一緒だったよな!」




「そうだけど…」





「教えろ!何があった?」




「まぁ、待てって新八。平助、昨日の捕り物で何かあったのか」





「…うん、まぁ…」




「何だよその微妙な顔」





「だぁーー!!早く言え!平助っ!」



「いだだだっ!ちょっとっ痛いって!分かったから!言う言うっ」




スッ




「おい!土方さん、出てきたぞ!!」




「「!!」」







「……。ちっ…」





ダン ダン ダン ダン






「「「……」」」











「行っちゃった…」


「俺達に気づかなかったって事か?」





「馬鹿言え、あれだけ騒いでたんだぞ?」



「だけど完璧に素通りだったじゃん」







「…おかしいな」






「あぁ」







「……。これが原因だかは分からないんだけどさ、昨日の捕り物中に、こんな事があったんだ――」



















『御用改めだ!!』




『しっ、新選組か!おいっ構えろ!!』





『ははっ、いきなり戦闘じゃん。どうすんの?土方さん』


『…平助、今更そんなこと聞くんじゃねぇよ』




『そうだね。じゃあ遠慮なく』




カチャ





『土方さんが調整してくれるから私達は心置きなく斬れるんでしょ?』


『だよなっ』






『お前ら…!』




『しょせん壬生浪、恐るるに足らず!!行けっ!』








――。





『うぉらぁ!!』



ザシュッ




『だぁぁぁ!!』



ガンッ




『はぁ…はぁ、何人いるのよ…―って、うわっ!?』




ドサッ



『琳、どうした…って何で斬った奴抱えてんの?』









『……。ちょっと!土方さん!!』



『…なんだ』









『…なんだ、じゃないでしょ!斬ったのこっちに倒さないでよ』





『あぁ?お前がそんな所で突っ立ってるからだろ』




『私が悪いわけ!?』



『そうは言ってねぇだろ。戦ってる最中によそ見してんなって言ってんだ』





『よそ見してないわよっ!普通味方をうまく避けて斬るでしょ!』






『あぁーまさか、それも出来ないほど腕が落ちたって事かな』






『何だと…?』








『何よ…』








『『……』』





『ちょっとっ!二人とも何やってんのさ!今そんなことしてる場合じゃないでしょ!』



『だって土方さんが…!』





『俺じゃねぇだろ!』












『『……。』』



ふんっ







『あぁもう!!逃げられてもしらないからね!』





『もしそうなったら土方さんのせいね』



『ふざけんなよ、そういうのは俺の仕事じゃねぇ』



『あっそ、そうやって逃げるんだ』




『別に逃げてねぇだろ!』





『うらぁぁぁ!』





『うわっ!きたっ』










『…邪魔すんじゃねぇ!
     しないで!』




ザシュッ






『……さすが。ってかこれで全員じゃん。……。…良かったじゃん!!』











『『……』』




ふんっ










『…はぁ…』











――。



「ってな事があったわけ」




「「……」」




「はぁ〜…」





「なんつぅかな〜」





「そんな事だったから、帰ってきたら忘れてると思ったんだけどさ」





「まぁ昔も何回かこんな事があったし大丈夫なんじゃね?なぁ?左之」

「だといいけどな。平助はどう思う」





「うん、そんなに心配いらないと思うよ」





「よしっ!俺達が悩んでても仕方ねぇし、もう行こうぜ!」




「そうだな」

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