novel

□男×男…?
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「この前よ、島原の姉ちゃん達に面白れぇ事聞いたんだよ」











今回のぶっ飛んだお話、全てはこの一言から始まった。






「面白れぇ事?」



すでに登場しているのは、私、神崎と、新八、左之である。



「左之もその場にいたじゃねぇか!」



「そうだったか?面白ぇ事なんて聞いた覚えはねぇぞ」



「いや、聞いたって!絶対一緒に聞いた!」





「聞いてねぇよ」



「聞いた!」



「聞いてねぇって」




「聞い――『あぁー!もうどっちでもいいからっ!続きは?』」







「こんな事があったんだ―…。」


「回想シーン、どうぞっ」










「…自分で説明しねぇのかよ……」

















『永倉はんは、よく原田はんと来はりますなぁ』



『ん?まぁな。呑む時は大体左之とだよな』





『確かにそうだな』



『仲がよろしんですか?』




『良い良い』


『やっぱり!』







『『?』』




『新選組ってもちろん男はんばっかですやんなぁ?』





『そうだぜ』



『そしたら、あの…やっぱり…』





『何だ?全員してそわそわしてっけど』







『あんた言ぃなっ』

『そんな、恥ずかしいわ』




『じゃあ、私が聞くで』




『何が聞きてぇんだ?』









『新選組の中で恋愛とかあるんどすか?』









『……』



『……』



『……ん?いや、組の中って…、さっきも言った通り、男しかいねぇんだけど』






『へぇ。存じてます』






『いや…、だから、恋愛とかは生物的に無理じゃねぇか…?』




『何言うてはりますの、永倉はん!知りまへんの?今は男はんどうしの恋愛が流行りなんどすえ』





『これを見てください。皆っ!』



バサッ





『何だ?皆して。何の絵だこれ…』





『ささささ左之!こ、こりゃあ…』




『……これは』





『新選組の皆さんって美形ばかりやろ?せやから皆妄想して、きゃーきゃー言ってるんどすっ』






『恥ずかしいわぁ』






『……』





『……』

















「ということだ」



「あぁ…、あれか」







「………」


「琳…?」




「なんか…、改めてさぁ。女の人って凄いよね」



「いや、一応お前もはいるけどな」





「じゃあ芸者さん達は、新八と左之が恋仲っていう妄想をしてた訳?」










「……笑えねぇよな」

「……だな」




「私は嫌いじゃないけどね」





「「……」」






「いやっ、でもよぉ、男どうしって…。花が無ぇっていうかさ…」



「新八。決めつけるのは良くないよ」






「でーもよ――『新八さん、話長いんだけど』」


ぐだぐだ言ってる新八の言葉を遮り、総司と一君が登場。




「総司…、相変わらずひでぇな…」





「新八さんのせいで大分僕たちの出番過ぎちゃったんだけど。ねぇ?一君」



「…あぁ」





「で?何の話だっけ」



「最近は男どうしの恋愛が流行りだって話」





「あぁ、そうだったね。一君、どう思う?」



「!?…お、俺か…?」






「うんっ」



妙にキラキラした笑顔な総司のフリに、戸惑う一君。




「俺はっ…、その、今の流行りなどは分からぬゆえ、何とも言えぬというか…」




「……一君って相変わらず面白い事言えないよね〜」



「…っ!」




軽く…、いや大分落ち込んだ一君。





「でも確かに、僕達だけじゃ何とも言えない問題だよね」



「そうね。…これは大会議を開くしかない…!」






皆は真剣な面持ちで頷いた。

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