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□誓うから
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ダメなんだ。
僕は君に恋をしてはいけないんだ。


分かってはいるのに気持ちは止まらなくて。
凄く、辛いんだ。

頼むから僕に優しくしないでくれ。
頼むからそんな笑顔で僕を見つめないでくれ。
頼むから………







「ねぇ、スマートっち?」
「…なんだい?」
「スマートっちは、その…彼女いるの?」

…彼女?ああ、彼女か……。

「いるよ」

「そっ……か…」


“嘘をついた”



嘘だよ。彼女なんていない、好きなのは君だから。
けど言ってはいけない。

僕と君の間には高く厚い壁があるんだ。
知ってる?…知らないだろうね、君には分からない。
けど僕は知ってるんだ。君と僕は一生結ばれることは無いって、ね。


ああ、そんな悲しい顔しないでくれ。
僕だって傷付けたくて傷付けてるんじゃない。
僕だって辛いのだから。


僕はね…未来から来たんだよ。
だから何時かは帰らなければならないんだ。だから…君を傷付けたくないんだよ、って……
言えたらどんなに楽だろうか。

運命とは残酷なものだ。


「変なこと聞いてごめんね…。」
「別に、変なことじゃないよ」


傷付けばいい。
傷付いて僕を嫌いになればいい。

でないと僕はおかしくなってしまうから。
君の笑顔を見ただけでこの気持ちを伝えたくなってしまうから。
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