ポケモンDP(+プラチナ)+スマブラX+拍手小説制作

□びたーチョコレート
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バレンタインは何時もそうだ。

貰いたいアイツからは貰えず、思いを伝える勇気さえない。

“だから今年こそは”

「この台詞何回目だぁあああ」

そう叫んだ途端、どこからか固い箱のような物が頭に直撃した。

「いだっ」

痛い、痛すぎる…。
けれど次の瞬間、そんな痛みは何処かへ去ってしまうのだった。

「スネーク、それ、受け取ってくれない?」
後ろを振り向くとサムスが居た。

「ん?」

見ると地面に一つ、赤い箱が落ちていた。
そうか、さっき頭に当たったのはこれだな?サムスのやつ、わざと当てやがったか。

でもそんな事より…サムスからのチョコ!

「ああ!有り難く貰おう!」
「それは良かったわ」

ん?何か引っ掛かるな…。
どうして俺にチョコを?義理だとは思うが…。

「おい、サムス!このチョコ、どうしたんだ?なんで俺に…」
そこまで言って凍りついた。サムスは…泣いていた。

「フラれたのよ、私」そう言って涙を溢す。
一瞬頭が真っ白になった。


「そうか……よく頑張ったな」

衝撃を受けたが、俺はサムスの頭を優しく、でも強引に撫でた。

「ちょっと……!」

サムスは俺の腕を振り払ったが、

「……ありがと」

そう言って涙目で笑って居た。
その姿があまりにも……

「美しい、流石サムス」
「要らないわよ、そんな慰め」
「慰めじゃないさ、本当のことだ」

そんなやり取りをずっとしていた。

「もし良かったら俺の腕の中があいてるぞ、招待しよう」
「……結構よ。と、言いたい所だけど…お願いしようかしら、何時かね」

ああ、…こんな俺にさえ素直なコイツは…きっと相当傷付いてる。
その心の傷は俺が治してやるとしよう。と、冗談混じりに言ってみた。


アイツから貰ったチョコはほろ苦くてだけど少しだけ甘くて。
……何時かこのチョコを甘々にしよう…なぁ、サムス。



*

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