ポケモンDP(+プラチナ)+スマブラX+拍手小説制作

□ほっとチョコレート
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――ある日事件は起こったんだ。

何時もの様にピーチ姫と仲良く話していたら…ある事で喧嘩になった。
それからずーっと口を聞いてない。もう一週間経つ。

「なんで喧嘩したんだ?」
クッパに聞かれて、言おうか迷ったけど一応言ってみる事にした。

「キノコ好きじゃなくてピーチを一番に愛してよ、って怒られたんだよ…はぁ」

「はぁ!?それだけか!??」

おま…、それだけって…こっちの身にもなってみろ!俺はピーチ姫を一番愛してる!なのにピーチ姫が信じてくれないんだよ!もう知らんわ!!
ってクッパに怒鳴り散らすとクッパは呆れたように言った。

「……お前、そんなこと言ってないでさっさと仲直りしろ。それでも男か!」
「煩いわ!」

クッパにもこんな悪態をついてしまった。コイツの言っている事は正しいのに。

「ごめん、クッパ…。でも…
俺だって仲直りしたいさ!!だけどピーチ姫が許してくれるかどうか…頑固だしな」

クッパはお前もななんて言って行ってしまった。
なんだよ…アドバイスは?、はぁ…今日も明日も仲直り出来なかったらどうしよ。不安で胸がいっぱいになった。
明日…仲直りしよう!

そう心に決め、今日を過ごした。


――そして次の日。

俺は決心通り、仲直りするために何時もピーチ姫が居るキッチン、もとい食堂へ来た。

「…………、」

「なぁに?やっと謝る気になったの?」

カチン)「そういうピーチ姫が謝ったらどうなんだ、俺は悪くない!」
「悪いじゃないの!もう私に話かけないで!」

ああ…またやってしまった。もう…なんて頑固な姫なんだよ!


暫くして、クッパがやって来た。

「ピーチ姫!珈琲頼む!」
「分かったわ、」

くそう、…俺は話かけられないのに…。
そう思って居ると、ピーチ姫がキッチンから食堂へと出て来た。……無言で。

「………」

コトッ)

珈琲…と…?ココアみたいな物は、俺の前に置かれた。珈琲はクッパの前に。

「…………?」

なんだ、これ。

けれどピーチ姫は何も言わず、キッチンへと戻って行ってしまった。

「それ…ホットチョコレートじゃないか?」
クッパが言う。

ホットチョコレート?あ………。

次の瞬間、俺の目からは大量の涙が溢れ出た。

そう…今日はバレンタインデー。
だからピーチ姫は…。

俺は怒っていた自分が馬鹿らしくなった。

「うう…、う、ぅわぁああああああっ!!」
「ちょっ、おい!マリオ!;」

「うう…う、」

ごめん、……ごめん

「ごめんピーチ姫ぇええええっ…」

大きな声で泣き叫んだ。

「ちょっとマリオ!叫ばないでよ、ちょっ!!」

俺はピーチ姫に思いっきり抱きついた。

「ごめん、…ごめんっ!ピーチ姫が一番なんだよ、本当だよ、一番愛してるんだよ…ごめん、ごめん……」

「マリ、オ……」

そうして二人で泣いた。泣き続けた。

クッパには悪いことしたな、こんな俺達を見て随分慌ててたしな。



そしてあのホットチョコレート。凄く…すごくピーチ姫からの愛を感じた。甘くて暖かくて…口いっぱいに広がるチョコとミルクの味。
俺とピーチ姫を仲直りさせてくれたホットチョコレートに、感謝した。

あれから俺達が喧嘩をすることは無くなった。

そして毎年バレンタインデーにはホットチョコレートを飲む事にしている。



*

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