ポケモンDP(+プラチナ)+スマブラX+拍手小説制作
□ほっとチョコレート
1ページ/1ページ
――ある日事件は起こったんだ。
何時もの様にピーチ姫と仲良く話していたら…ある事で喧嘩になった。
それからずーっと口を聞いてない。もう一週間経つ。
「なんで喧嘩したんだ?」
クッパに聞かれて、言おうか迷ったけど一応言ってみる事にした。
「キノコ好きじゃなくてピーチを一番に愛してよ、って怒られたんだよ…はぁ」
「はぁ!?それだけか!??」
おま…、それだけって…こっちの身にもなってみろ!俺はピーチ姫を一番愛してる!なのにピーチ姫が信じてくれないんだよ!もう知らんわ!!
ってクッパに怒鳴り散らすとクッパは呆れたように言った。
「……お前、そんなこと言ってないでさっさと仲直りしろ。それでも男か!」
「煩いわ!」
クッパにもこんな悪態をついてしまった。コイツの言っている事は正しいのに。
「ごめん、クッパ…。でも…
俺だって仲直りしたいさ!!だけどピーチ姫が許してくれるかどうか…頑固だしな」
クッパはお前もななんて言って行ってしまった。
なんだよ…アドバイスは?、はぁ…今日も明日も仲直り出来なかったらどうしよ。不安で胸がいっぱいになった。
明日…仲直りしよう!
そう心に決め、今日を過ごした。
――そして次の日。
俺は決心通り、仲直りするために何時もピーチ姫が居るキッチン、もとい食堂へ来た。
「…………、」
「なぁに?やっと謝る気になったの?」
カチン)「そういうピーチ姫が謝ったらどうなんだ、俺は悪くない!」
「悪いじゃないの!もう私に話かけないで!」
ああ…またやってしまった。もう…なんて頑固な姫なんだよ!
暫くして、クッパがやって来た。
「ピーチ姫!珈琲頼む!」
「分かったわ、」
くそう、…俺は話かけられないのに…。
そう思って居ると、ピーチ姫がキッチンから食堂へと出て来た。……無言で。
「………」
コトッ)
珈琲…と…?ココアみたいな物は、俺の前に置かれた。珈琲はクッパの前に。
「…………?」
なんだ、これ。
けれどピーチ姫は何も言わず、キッチンへと戻って行ってしまった。
「それ…ホットチョコレートじゃないか?」
クッパが言う。
ホットチョコレート?あ………。
次の瞬間、俺の目からは大量の涙が溢れ出た。
そう…今日はバレンタインデー。
だからピーチ姫は…。
俺は怒っていた自分が馬鹿らしくなった。
「うう…、う、ぅわぁああああああっ!!」
「ちょっ、おい!マリオ!;」
「うう…う、」
ごめん、……ごめん
「ごめんピーチ姫ぇええええっ…」
大きな声で泣き叫んだ。
「ちょっとマリオ!叫ばないでよ、ちょっ!!」
俺はピーチ姫に思いっきり抱きついた。
「ごめん、…ごめんっ!ピーチ姫が一番なんだよ、本当だよ、一番愛してるんだよ…ごめん、ごめん……」
「マリ、オ……」
そうして二人で泣いた。泣き続けた。
クッパには悪いことしたな、こんな俺達を見て随分慌ててたしな。
そしてあのホットチョコレート。凄く…すごくピーチ姫からの愛を感じた。甘くて暖かくて…口いっぱいに広がるチョコとミルクの味。
俺とピーチ姫を仲直りさせてくれたホットチョコレートに、感謝した。
あれから俺達が喧嘩をすることは無くなった。
そして毎年バレンタインデーにはホットチョコレートを飲む事にしている。
*
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ