NARUTO
□可愛いのは…
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「ネジってさぁ、可愛いわよね」
お団子頭の女の子、テンテンから告げられた一言。テンテンはニコニコしながら、見るからに今の一言で不機嫌になった男の子、ネジを見つめた。
「嬉しくない」
そっぽを向いて言うネジ。
テンテンはクスッと笑った。
きっと自分が女顔だということを気にしているのだろう。
確かにネジは可愛い。たまに無理やり女装させられたりということも度々ある。
「そういう意味じゃなくてね、」
「そういう意味以外に何の意味があるんだ」
言おうとした所でネジに遮られる。今言おうとしたのにと、テンテンは頬を膨らませた。
「もうその話は良い。行くぞ」
「あっ!ちょっとネジ、待ってよー!!」
ネジの後を追い掛ける。
今更だがこの二人は朝早く偶然出会った。
今日は任務もなく皆思い思いの過ごし方を考えていた。
テンテンもネジもぶらぶら散歩しようと家を出たのだった。
バッタリ出会い、とりあえず何も用事が無かった為、二人で散歩でもしようと歩いていた時、あの会話になったのだ。
「ねぇネジ!話聞いてよ!」
「…………」
ネジはテンテンに一向に反応しなかった。
「もうー!ネジの女顔!!」
「なっ、やめろ!」
大声で叫ぶテンテンをネジは必死で止めようとする。
聞こえたのか周りの人が笑っていた。
「も、もう嫌だ…」
ネジは顔を真っ赤にして涙目でテンテンに訴えるように言った。
「わあっ!冗談よネジ!泣かないで!
かっこいい、ネジかっこいいわよ!!」
「叫ぶな!!//」
またもや叫ぶテンテンに耐えられなくなったのか顔を真っ赤にして叫び、それから口元を片手で覆い隠した。
どうやら照れているようだった。
「ネジ、そういう所が可愛いのよ」
「だから嬉しくない」
「照れる所とか」
「やめてくれ」
「ヤキモチ妬くとことか」
「うるさい」
ほら今だって照れてる、とテンテンはネジの顔を覗き込んで言った。
ネジは一瞬眉をぴくっとさせ、テンテンに近付く。
「お前のが可愛いだろ」
「えっ?」
耳元でそう呟いた。
「っ!!////」
テンテンの顔がみるみる内に真っ赤になる。
「真っ赤だなw」
「もうっ!ちょっとネジーー!!//」
耳元でなんて反則よと走り逃げるネジを追いかけ回すテンテン。
それを見つめる数人の人影がそこにはあった。
「バカップルかよ」
「可愛いじゃなーい!!カワップルよ!」
「なんだよそれ」
「良いなぁテンテンさん…」
「青春です!!」
「おぉそうだぞ!青春だぁ!!!!」
「暑苦しいってばよ」
「ネジ兄さん楽しそう♪」
「あーあちぃあちぃ」(ヒナタが一番楽しそうじゃねーか)
「もう!ネジ待ちなさいよ!!//」
「捕まえてみろ」
「もーーーーー!!」
可愛いのはお互い様
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