中編

□00始まり
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「お兄ちゃん!遅刻しちゃう!」


「やっべ。急ぐぞ名無しさん!」





俺と名無しさんは階段をドタドタと駆け下り玄関へ向かう。


いってらっしゃい、と母さんがリビングからひょこっと顔を出し、
気をつけるんだぞー、と父さんの声が聞こえるいつもの朝。








「ホラ!お兄ちゃんっ、もっと早く漕いでよ」


「おう。しっかり掴まっとけよ」


「うんっ」





名無しさんときょうだいになって6年が経とうとしている。
6年前、母さんがまだ少し幼い名無しさんを連れて父さんと俺の元へやってきた。


血の繋がりは無いけれど、2つ歳の離れた名無しさんは俺にとって可愛い可愛い妹だ。




でも、







「じゃあお兄ちゃん、昼休みになったら三年生の教室行くね」


「ああ。待ってるな」






名無しさんはこれっぽっちも思ってなんか無いんだろうな。


俺がお前に、こんな薄汚ェ感情を抱いているなんて。
















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