長い夢

□02
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「ボニーありがとね。可愛い服いっぱい買っちゃったよ」

「名無しさん〜腹減った」


放課後。
あたしはボニーを連れて買い物に
来ていた。


「じゃあ…何処かでご飯食べよっか」

「最近出来たバイキング行きたい!」


名無しさん付いて来い、とイキイキしたボニーに手を引かれお洒落なお店に入ってゆくあたしたち。




「いらっしゃいま……げっ」


げっ、とは失礼な。
そう思って店員に目をやると、
見慣れた人物だった。


「キッド君!」 

「げっ!キッドかよ!」

「ケッ、大食らいが。店潰しにでも来たのかよ」

「んだと、コラ」

「あ?やんのかテメェ」


「ユースタス君!お客様に失礼ですよ!早くお席にご案内しなさい」


店長っぽい人にそう注意されると、
チッと舌打ちしてキッド君はあたし達を席に案内してくれた。


「でもビックリした。キッド君こんな所でバイトしてたんだね」

「まぁな。ゆっくりしてけよ」

「ありがと」

「隣に居るブタは食い逃げすんなよ」

「あん?誰がブタだとコラ」

「テメェ以外誰がいんだ」


キッド君は少し乱暴にフォークやナイフを置くと、厨房へ去って行った。


「ボニーとキッド君って仲良しだね」

「ハァ?!どこがだよっ」

「喧嘩する程仲が良いって言うじゃん」


あたしが期待の目を向けているのに
気がついたのかボニーは口を開く。


「バーカ。ただの幼馴染みだよ」

「へ?そーなの」

「腐れ縁って奴だな。そんな事より早く飯選びに行こうぜ」

「そうだね!」


あたしもボニーに続き立ち上がると、
携帯が鳴った。






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