長い夢

□03
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「ああ、いらっしゃい」

「お邪魔します…」


ロー君の家のインターホンを押すと、
私服姿のロー君が出迎えてくれた。
私服姿もかっこいいな。


もう一度、玄関に入る前にお邪魔します、と言うと、誰もいねぇよとロー君が笑った。


「あれ?誰もいないの?」

「親は仕事。忙しいみてぇだな」

「そうなんだ」


あたしは靴を揃えると、ロー君の後に付いていく。
さすが高級マンションなだけあって部屋の数が多い。


「俺の部屋、此処だから」

「お邪魔します…」

「何か飲み物取ってくるから待ってろ」


ロー君の部屋はベット、ファー、テーブル、テレビなど必要な物と大きな本棚が置いてあるシンプルな部屋だった。

あたしはソファーの端へ遠慮がちに座った。
なんか緊張するなぁ…何時も学校だったから本当の2人っきりなんて初めてだし。



「わりぃ、紅茶しか無かった」

「ううん。ありがと」

「テレビでも付けっか」 

「あ、ロー君!ケーキ買ってきたの」

「ケーキ?」

「うん、嫌い…だったかな」


あたしの馬鹿。
ロー君の好きなもの位聞いておくべきだった。


「いや。甘いものは好きだ」

「ほんと?良かったぁ…」


あたしは白い四角の箱からケーキを
取り出す。


「あのね、どんなのが好きか分かんなかったから違う種類の買ってきたの」


あたしはロー君の前に、モンブランと苺のタルトを差し出した。


「ロー君、好きな方選んで?」

「半分ずつにしようぜ」


どっちも食いてェしな、と可愛い事を言うからあたしの頬は緩んでしまった。









    
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