長い夢
□04
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「じゃあ、よろしく頼むな」
スモーカー先生はそう言うと教室を
颯爽と出て行ってしまった。
この教室にはロー君とあたしの
2人っきり。
そもそもこうなったのはボニーとキッド君のせいだ。いや、感謝すべきなのかもしれないけれど。
三泊四日の修学旅行を目前に控えたあたし達三年生。
修学旅行委員という名の雑用係を決めていると、ボニーとキッド君が2人仲良く手を挙げた。何だかんだで仲良しなんだなぁ、なんて微笑ましく思っていたら。
“トラファルガーと名無しさんがいいと思いま〜すっ!”
ボニーとキッド君の言葉にスモーカー先生はあたし達の机に資料を置いて一言。
“提出期限、明後日だ”
という訳で、あたしとロー君は只今黙々と修学旅行のしおりをわざわざ手書きで書いている。
「…書くこといっぱいあるね」
「だな」
素っ気なくロー君はペンを走らせたまま答える。
すごい集中力だなぁ……ん?
「ロー君、何描いてるの?」
「担任の似顔絵」
何かを一生懸命描いてると思ったら
ロー君はスモーカー先生の似顔絵を
描いていた。
でも何か違和感が…。
「あ!スモーカー先生はもっと眉間に皺寄ってるよ」
「確かに。…こうか?」
「うんうん!似てる」
「相当な悪人面だな」
そう言ってロー君が笑うから
つられてあたしも笑った。
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