長い夢

□06
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「…………」

「…………」



今日で修学旅行委員の仕事は
最後だっていうのに。

あたしとロー君は、さっきから
一言も喋っていない。

昨日の事が気まずいのか、今日は
おはようも言ってくれなかった。





「…昨日は悪かった」



ロー君がぽつり。
そう呟いた。



「あ…、大丈夫。気にしないで」


うそつき。
本当は大丈夫なんかじゃないのに。
ずっと泣いてたくせに。
強がるあたし。





「…ロー君の元カノ?」


聞くつもりなんて無かったのに、
気付けばあたしはそう言ってた。

付き合う時、約束したのにな。
干渉しないって。
めんどくさい女って思われたかな。




「ああ」

「…そっか」


案外あっさりと答えてくれたロー君に
びっくりした。



「俺が高2の時、向こうが大学1年で…」

「うん」

「別れたり戻ったりしてたからなぁ」

「うん」

「本当、勝手な女だった」

「…そっかぁ」



でも、そうゆう所も好きだったんだよね?
だってロー君すごく愛おしそうな顔してるんだもん。


馬鹿なあたしでもすぐに分かっちゃうよ。
ロー君まだララさんの事
好きなんだね。



「…仕事終わらせるか」

「そうだね」








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