短い夢
□am6:00
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休日、早朝からのバイトは辛い。
でも最近は少し楽しみがある。
「いらっしゃいませ」
早朝6時。
決まって来るお客さんがいる。
「マルコ〜、どのアイスが良いと思う」
これから仕事なのか、彼は仕事着を
いつも着ている。
「知らねェよい。さっさと決めろー、オヤジが待ってんだから」
そう仕事の先輩らしき人に言われると、彼はアイスとお弁当を適当に1つずつ取ると私の元へ向かってくる。
「商品お預かりします」
近くで見る彼は、とてもカッコ良くて。整った顔立ちや少しクセの付いた黒髪、そばかすもすごく似合ってる。
「こちら温めますか?」
「あ、大丈夫です」
たったそれだけ聞くだけなのに
私の胸はドキドキうるさい。
「630円になります」
「お!丁度ピッタリある」
彼はそう言って私に笑いかける。
私もつられて笑ってしまう
「有り難う御座いました。またお越しくださいませ」
彼はもう一度微笑むと、
店を出て行った。
いつも遠くから見つめていた彼が、
私に微笑んでくれた。
「…また来てほしいな」
私は、ぽつりそう呟いて
仕事に専念することにした。
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