短い夢

□問われるネーミングセンス
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狭い仕事部屋に、俺とたしぎ、
それと何故だか青雉が黙々と報告書を
書いていた。(青雉はソファーに寝そべってうたた寝してるだけだが)




「あのぉ…スモーカーさん」

「なんだァ?」



「もうすぐで名前さん、出産ですよね?生まれてくる子のお名前ってもうお決めになったんですか?」



口を動かすなら、その分手を動かせと
注意しようと思ったが。
名前の事なら話は別だ。





「いや、まだだ」

「男の子か女の子か、生まれるまで分からないんですか?」

「ああ。アイツが楽しみにするって」



あ、でも…とたしぎは呟く。



「男の子なら、スモ夫。女の子なら、名前子ですよねっ!」


「あ?」


どうしてそうなった。





「違うよー、たしぎちゃん」



さっきまで寝ていた筈の青雉が
むくりとソファーから起き上がる。




「男の子だったら、ゴン太。女の子だったら、ペロだろ」



ざけんな、犬じゃねェんだぞ。



「だ、駄目ですよっ!そんな人間離れしたお名前なんか」


たしぎ、お前が言うな。


「え?そうかなぁ。スモーカーはどっちのが良い?」

「どちらもお断りさせて頂きます」

「なんでさっ?」

「んな変な名前つけられっか」



どこが変なのさ、と青雉とたしぎは
本気で考え始めた。




「じゃあスモーカーは、どんな名前がいいんだよ」




「男の子だったら、海夫。女の子だったら、マリン」




「「……………」」












(え?海夫?マリン?)
(ああ)
(嫌!そんな名前、この子に付けるの)
(え)
(スモーカーってネーミングセンス無かったんだ…)
(え)







問われるネーミングセンス

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