短い夢
□これは日常のほんの一部です。
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「はぁ…副隊長、今日も綺麗だな」
「噂だと海賊女帝がこの世で最も美人だと聞くが、俺名前さんより美人な奴なんて居ねぇと思う!」
「ああ。なんたってあの胸…」
船員達の視線の先には、船員皆の憧れ名前が今日も素敵な笑顔を振り撒いて甲板の掃除をしていた。
モビーは只今、夏島を横断中。
黒いキャミソールに、短パンというラフな格好をしている名前に男ばかりの船員達の視線がいってしまうのは最早当然の事であった。
「おい、お前ぇら。人の嫁さんに何か用かよ?」
「エース隊長っ!」
エースはニコニコと笑っているが、
その笑顔の裏に覇気が少し混じっていると感じた船員達は、すみません!と一言謝ると、自分達の持ち場へ戻って行った。
「なんだい、エース。一丁前に嫉妬か?」
熱いねぇ、とイゾウが煙管を蒸かせながらニヤニヤと笑った。その隣ではサッチもニヤニヤと笑っている。
「言っとくが、ありゃ名前が悪いぜ?」
「は?」
「あんだけ肌出してたら、男なら誰でも見ちまうって話だ」
イゾウが悪戯な笑みでそう告げると、
エースは血相を変えて走って行った。
「イゾウ、あんま苛めてやるなって」
「可愛いもんは苛めたくなるってもんさ」
エースも名前も。
「新婚ならもっと仲良くしてりゃあいいのにな」
「アイツらすげぇ仲良いじゃん」
「ちげぇ。そうゆうイミじゃねぇ」
そう言って微笑むイゾウに、なんかまた企んでいるなとサッチは思った。
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