長い夢
□02
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「ボニー、先行ってて」
「お、分かった」
携帯を見るとメールで、ロー君からだった。
《明日俺ん家でいいか?》
たった一行だけど、あたしの心を踊らせるのには十分だった。
あたしが返信を送ると、すぐにメールが返ってきた。
内容はロー君の家までの道のりだった。案外あたしの家から近くて驚いたけど、返信を打ってボニーの元へ急いだ。
「ボニー…よく食べるね」
「そうか?まだまだ足りねェよ」
「折角慣れてきたバイトなんだから店潰すなよ」
「しつけェぞ、キッド」
「あ?テメェらが水のお代わりいらねぇか来てやったのに、なんだその態度」
ボニーはずいっと、キッド君にコップを差し出すとピザを一口頬張る。
「それより、名無しさん明日トラファルガーと会うんだろ?」
「あ、ボニーあのね、明日ロー君の家で遊ぶ事になったんだ」
あたしの言葉にボニーは勿論、何故かキッド君も驚いた顔をしていた。
「何テメェが驚いてんだよ」
「いや、トラファルガーの奴が女家に上げるなんて珍しいと思ってよ」
「そうなの?」
「まぁ、あんまり俺が名無しさんに話しまうとアイツうるせぇだろうからこれ以上は言えねーけど」
キッド君が去った後もボニーと他愛のない話をしていたけれど、あたしの頭の中はロー君の事ばかりで。
どんな部屋に住んでるんだろう、とか
そんな事を考えてたらご飯どころじゃなくなった。