長い夢
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「どこ行こうかぁ」
「名無しさんの食いたいもんでいい」
「じゃあ、キッド君がバイトしてる所行く?」
「ユースタス屋?」
「うん。あ、でも今日バイトしてるかなぁ?」
「…ユースタス屋と仲良いんだな」
「へ?……わっ!」
どうした?、なんて少し意地悪な顔で笑うロー君。
だって、だってロー君の手があたしの手に。
「今さら照れる事じゃねェだろ?」
「っ……!」
そう言われれば、あたしの顔は面白いくらい真っ赤になった。
「修学旅行、」
「へ?」
「行きたい場所決めとけよ」
「……うんっ!」
あたしは嬉しくて、繋いでいる手の力を少し強めた。
「痛ェよ」
「あっ、ごめん!」
「嘘」
「…なんか今日のロー君意地悪」
俺はもともと意地悪だ、とロー君は
笑うから、あたしの頬も自然と緩んだ。
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