短い夢

□未知の世界
2ページ/2ページ


「ハァ…」


名前に頼まれた物を求め
俺がやってきたのは、薬局。


例の物を探すため、店内をウロウロする事五分。
漸く見つけた…と思ったんだが、


「…案外種類が多いな」


こんなに種類があるなら、どれが良いんだか聞けばよかった。
早く選ばなければ、店員から変態だと思われる前に。


そんなこんな悩んでいると、
2人の女がこちらへ向かって来たので
俺は慌てて直ぐ隣にあった子供用のオムツを選んでる父親のフリをした。

その女達は俺の方を見て、良いパパだの何だの言っていたが目当ての物を購入すると店を出て行った。


「…何してんだか、俺は」


店内を見渡す。
よし、客は俺しか居ない。
買うなら今だ、と俺は側にあったソレを掴み取るとレジへ急いだ。










「おかえり、スモーカー」

「ああ」

「遅かったね」

「……ホラよ」

「あ。本当にありがとー」



助かったぁ、とコイツが笑ったから
もう何でもいいように思えてきた。


「あ」

「あ?どーした」

「これ羽つきじゃないよ」

「羽ェ?」

「羽つきが良かった…」



前言撤回。
人の苦労も知らないでそんな文句を
言う名前の頬を少し抓ってやった。
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ