TYB/short

□頭脳派天然少女
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 「岬、廊下を走るな!!」


 「はーい、すんません!!」


口では謝りつつも、走る足は止まらない。

だって今日を逃したら、また気が遠くなるほどの時間を待つことになるから。

目指すは、可愛いあの子のいるクラス。


 「ベリーちゃん!!」


扉を破壊する勢いで教室に入り込む。

そして、あの子を探す為に両目を全力で動かす。

クラス中が俺を見ている気がするけど、そんなことは関係無い。

あれ、いない…?


 「虎太郎くん、どうしたの?そんなところで立ったまま…。」


 「あっ、ベリーちゃん!!」


どうやら教室の中にはいなかったようだ。

…あれ、今考えると俺、相当恥ずかしいことしてたんじゃ…?

まぁ、お目当ての子に会えたから良しとしよう。

大した問題じゃ無い…ハズ。


 「それで、私に何か用?」


 「へへっ、今日は何の日でしょーか!?」


 「今日?うーんと…。」


正解は俺の生まれて17年目の誕生日。

11月22日、一年に一回しか訪れないこの日。

…ん?待てよ…。

考えてるってことは、分からないってことなんじゃ…。


 「分かった、いい夫婦の日!!」


悪い予感は見事に的中。

しかも加えて満面の笑み。

いや、可愛いけど、完全に俺の誕生日忘れてる…。


 「そ、それだけじゃないっしょ?」


 「??」


 「…何でもにゃい。」


少し前まで期待していた自分が馬鹿みたいだ。

人生に一度きりの17歳の誕生日。

こんな悲しい終わり方をするなんて。


 「なーんて、嘘でーす。」


 「え?」


 「はいこれ、誕生日プレゼント。部活で使えるようにタオルにしてみたんだけど…。」



派天然少女




 ((ヒヤヒヤさせないでほしいっしょ…!!))


 ((?何が?))



――――――――――――
遅れた上に低クオリティごめんよ虎太郎…!!
 

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