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□ブルーベリーとの約束
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そう、これはこの前のお礼。

お礼がしたいから、彼に会いに行く。

ただ、それだけのことである。

…ただ、それだけ。

自分がいつも降りる駅とは違う駅で降りる。

自分のホームタウンとかなり異なる雰囲気に若干たじろぎつつも、目的地を目指して歩く。


 「…ここかしら。」


私が足を止めた場所――――――都立赤金高等学校。

普段は訪れることも無いこの場所。

これには、ある理由がある。

自分はあの時、確かに果物を"美味しい"と感じることが出来た。

それは、彼のお蔭ということに違いは無い。

だから、感謝の気持ちを伝えに来たのだ。

社交辞令とか、そんなのじゃなく。

下校中の生徒逹の目線を気に求めないフリをしながら、お目当ての彼を探す。

やはりこれだけの人の群れから探すのは大変…


 「にゃーっ、ベリーちゃん!!」


…では無かった。


 「大声でそんな恥ずかしい名前を呼ばないで頂戴!!」


 「恥じらってるベリーちゃんも可愛いから、問題無いっしょ!!」


 「…というか、その服は本当に制服だったのね。」


こんなに目立つ制服、最早制服の意味が皆無な気がするけれど、良いのかしら?

規律や風紀が乱れ…あぁ、もう乱れているのね、納得。


 「それで、なんでベリーちゃんはこんなところに居るの?」


 「…この前の、お礼よ。」


 「そんなの全然気にすることにゃいのに!!あれはー俺っちが勝手にやったことでしょ?」


 「そ、それはそうかもしれないけど…。」


それではなんだか、私の気が済まない。


 「でもー。」


彼は、ちらりと私を見る…いや、見上げる。

私の現身長は166cm、常に他の女子を見下ろす感じだ。

この身長で男子に見上げられるのは、ある意味貴重な体験である。


 「な、何かしら。」


 「今度、俺っちのサッカーの試合、観に来て欲しいなぁーにゃーんて…。」


 「…いいわ。」


気がつくと、口が勝手にそう告げていた。


 「ほ、本当に!?ありがたや〜!!」


理由は明確に分からなかったけれど、目の前で喜ぶ彼を見ていたら、どうでもいい気ようながした。



ーベリーとの約束




 ((変ね))


 ((少し楽しみにしている、なんて))



――――――――――――
試合なんて書けねぇww
なんとか誤魔化して書((
 

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