POOR THE WORLD

□RTW第一章
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雲行きが怪しくなってきたある場所で1人の女の声が響く──────
「ぎゃああああああ!!!!」














空は晴天。
そこには1人の少女がいた。
「晴れたわねジュリ!」
名はマリア。
年はわからない。ただし十代の少女であることには変わりない。
青い目をしていて、肩よりしたのサラサラの髪を気に入っている。
ジュリと呼ばれている女は─本当はジュリアナというのだが─マリアにとって母のような存在である女だった。
「そうね、マリア。」


こんな母子のような会話が出来るのはごく少ない時間でそれも一年に一度あるかないかくらいの確率であった。

今2人がいるのはクラウン。簡潔にいうと、小さな集落のようなところ。


マリアは女戦士であった。

戦う相手は───


悪魔だ。



そう、クラウンは戦士が集うところ。
敵は悪魔だ。






この世に神は魔術を操ることの出来る魔術使いを創った。

しかし、その一方で悪魔も創ったのだ。


魔術使いは悪魔と対立した。決してお互いに心を開かなかった。


文明が発達するにつれ魔術使いはより強力な魔術を上手く使う方法を見いだした。

それに対し悪魔もより悪について知り、人を傷つけやすい体へと進化し、より極悪なものとなった。


それまで対立はしてきたものの、戦いというものを知らなかった。
しかし両者とも自分を磨き上げ強くなったということをはっきりさせたいと思い始めた。


最初は同じもの同士、魔術使いなら魔術使いと互いに魔術を出し合うというようなものだった。
でも、そんな日々が続くわけが無かった。


魔術も悪も人を傷つけられることに変わりはない。
それに気付くと、いったいどちらが勝つのか知りたいものだ。


そこで両者は






『戦い』を始めてしまった────。
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