Short
□コスメティック!
1ページ/1ページ
俺の彼女はすっげー可愛いの。
だから、"メイクとかしなくてもいいのに"って言ったら叩かれた…!
どうしてっ!!?
ブン太は私の気持ちなんて分かってないんだ。
付き合い始めて今までは見えなかったところが色々見えてきて、私はそんなブン太も全部好きだけど…
もしかしたら…もしかしたら…私の今まで見えなかったところが見えてブン太に嫌われるんじゃないかとか…
色々焦ってるのに、ブン太は"メイクとかしなくてもいいのに"なんて…私がどれだけ頑張ってると思ってるの!
本当はメイクとかオシャレとかすごく面倒だけど、だけど、ブン太に嫌われたくなくて、イメージと違ったとか言われて捨てられるのが怖くて…
こんなにも、頑張ってるのに…どうして褒めてくれないの!!!
今日だって、ほら。頑張ってきたのに。
「可愛いじゃん、でもそのままのA子のほうが俺が好きだぜぃ?」
ほら、私の努力なんて褒めてくれないんだ。
必死にお姉ちゃんのファッション雑誌読んで、一緒に服選んでもらって、メイクも教わって…頑張ったのに…!
『もうっ、ブン太なんて知らない!』
カバンを投げつけて駆け出した。
別に行くところなんて決めてないけど、でも、でも、逃げ出したいの!
どうして、A子は俺と付き合うようになってからこんなに頑張ってんだろ。
A子が俺のために頑張ってくれてんのは痛いほど伝わってくるんだぜぃ?
でも、俺の好きなA子はいつもありのままで素直で俺と一緒に笑っててくれるA子なのに…
別に、メイクとかオシャレとかしなくて、たとえデートでジャージを着てきたとしても俺はいいんだけどよ。
とりあえず、こんなことを考えながらもA子の行った方向に思いっきり走る。
別にテニス部レギュラーだからって走るのが得意とかそういうことないから、疲れる。
でも、それ以上にこのままA子を放り出せる程俺はひどい彼氏じゃねーし!
「A子っ!」
やっと見つけて、声をかけるとビクッとされた。
そんなのお構いなしに抱き締める。強く、強く。
『ぶ、んたっ…』
「ごめん、A子ごめん…」
『なんで、謝るの…』
「A子が俺のために頑張ってるのは知ってた。
今まで読んでたこともないファッション雑誌とか読んでたのも気付いてた。」
『うん…』
「それでも、俺はありのままのお前が好きなんだぜぃ?
いつも笑ってて、いつも幸せそうで、お前の泣き顔なんて見たくないんだぜ…」
『ごめん、ごめんねブン太…それでも、嫌われたくなくて…』
「A子の努力なんて分かりすぎるくらい分かってんだよぃ…
それでも、俺達の間にメイクとかオシャレとかそういうの必要ないってわかってんだろぃ?」
『うん…うんっ…』
「俺の好きは外見だけのA子に向けてるもんじゃくて、Y崎A子自身に向けてる愛なんだよぃ…」
『うん…私の好きも丸井ブン太自身に向けてるよ……』
「なら、オシャレとかメイクとかいらないだろぃ?A子はA子らしくいてくれればいいんだよぃ」
『うんっ…ありがと、ブン太……』
「いいんだよぃ…」
イメージとかそういうのどうでもいいんだ。
ただ、ただ、君自身が好きだから一緒にいて、笑いあって、幸せでいたいだけなんだ。
俺だけの天使はメイクなんてしなくても可愛いんだから、メイクなんて邪魔者捨てちまえよぃ。
俺だけの天使のイメージ−コスメティック=俺だけの天使
俺の愛がメイクになるからそれでいいんだよぃ。
コスメティック!
(頑張らなくていいよ)(頑張らなくてもありのままの君が好きだから)
(頑張らなくていいよ)(頑張らなくてもありのままの君に愛をあげるから)
------------------------------------------------
VOCALOID楽曲の鏡音アペンドの「コスメティックラブ!!」が可愛すぎて思わず衝動書き。
何書いてたのか自分でもよく分かってないです、すいません。