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□和装プレゼント
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普段はあいつに何を言われようと私からは和服は着ないのだが、今日は特別。
たまには和服好きなあいつのために着てやるのも悪くないと思った。


だから、少しだけお洒落をして道を歩くんだ。
この時代に和服とか少し恥ずかしいけれど、今日は特別。


だって、今日は私の大好きな弦一郎の誕生日だから。






























『ハッピーバースデー』


そう言って弦一郎の家の玄関に入るなりクラッカーをパーンと放つ。
弦一郎といえばポカーン…とした顔でなんのこった、という顔をしてる。


「あぁ…そうか、今日は俺の誕生日か…」


『自分の誕生日を忘れるだなんてたるんどるっ!』


いつもの弦一郎のマネをして言ってみる。
すると、ん?それは誰のマネだ?だって。どう見たって、聞いたって貴方のマネです、真田さん。


「とりあえず入れ」


『うん』


なんだ、和服のことについては触れてくれないんだね。
せっかく着てきてやってのに…なんか悔しいんですけど。


「あー…その、なんだ…」


真田家の廊下を歩きながら咳払いをする弦一郎。
そういうことすると本当にお父さんになっちゃうからやめろって何度も言ってるのにこの人は…


『何?言いたいことあるならハッキリといいなさいっ!』


そう言って少し後ろを歩いていた私は思い切り弦一郎の背中を叩いてやった。
それなりに痛…くもなかったのかも。飄々としてやがる、ちきしょー!


「似合ってるぞ」


『え……?』


え、今なんて言った?


「だから、似合っていると言ったのだ!」


そう怒鳴りながら振り向いた弦一郎の顔は真っ赤だった。
弦一郎でも真っ赤になるんだね、まるでリンゴみたい。…なんて言ったら何されるか分からないから心に秘めておく。


『ありがとう』


そう微笑んで言えば次の瞬間に唇を奪われた。
あーもう、いつも弦一郎は唐突なんだから…でも、幸せだからいっか。




和装プレゼント
(ちなみにプレゼントは私です)(…は?)(私です)(遠慮はしないぞ)
(紡ぎだすは愛の言葉)(誕生日おめでとう、弦一郎)






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HAPPY BIRTH DAY !!! Genitiro.Sanada!!!
真田の口調がつかめてません、ごめんなさい。
ちなみに真田が和服好きかは知りません。

 

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