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□出会いは美術室
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私と幸村くんが始めて出会ったのは中学一年生の夏…で、美術室だった。
私が昼休み暇で美術室に足を運んだらいたんだ、そこに。


最初は知らなかった、クラスなんて一緒じゃなかったし…
でも、すごく綺麗な顔をしてる子だなって思った。


最初はジュース咥えて毎日こっそり美術室の隅から幸村くんの描く絵を見ていただけだった。
でも、その内に色々と美術関係のことで話すようになって…
何部なの?、って聞いたらテニス部、って返ってきて驚いた。


その日の帰り道にブン太に幸村くんのことを尋ねたことはいうまでもないだろう。


幸村くん自身に惹かれている部分もあった、でもそれ以上に幸村くんの描く絵に惹かれていたんだと思う。あの頃は。


それから二年生になってクラスが一緒になって、テニスの応援にいったりもした。


その頃なんだ、私が幸村くんに恋してるって気付いたのは。
ブン太には俺は前から分かってたぜぃ、なんて言われて私鈍い?、とかちょっと心配になったりして。


でも、その気持ちはまだ心の中にある。
絶対口になんて出せない、出してしまったら全てが崩れてしまいそうで…怖いだけなんだ。


「今日もいちごミルクなの?」


『うんっ、美味しいよ?ブン太に進められたんだけど…なんかブン太はもう飽きちゃったみたいなんだ』


そう言って廊下を歩いてる中学三年生の私たち。
三年生は最後の試合が終わって少しずつだけど暇な人が増えていく、それはテニス部も例外ではない。


けれど、やっぱりみんな赤也くんのことが心配でちょくちょく練習に行ったりしてるみたい。
それに私はちょこちょこついていって座り込んで見学してるだけ。


今も変わらない私達の関係。
お昼休みは美術室に入り込んで絵の話したり、玄関前の花壇を見て花の話したり…
すごく幸せなんだと思う。きっと。


だから、幸村くんを私のものにしたいとか、そういうこと思っちゃ、ダメなんだよね。
私は絶対にこの口から紡ぎださない…"貴方が好き"なんて、それだけは絶対に。




出会いは美術室
(あれ、今日は幸村くんもいちごミルク?)(うん、A子が美味しそうに飲んでるの見たらいいかもって思ってね)(そう、幸村くんも好きな味だといいな♪)
(好きを共有できる貴方の幸せを第一に)




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初挑戦の純愛系。なんのひねるもないものって書いたことなかった気がする。
何もひねらないまま終わらせる!

 

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