オリジナルストーリー2
□胸に感じた違和感
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「行ってきます」
そう言って玄関の扉を開けたら凄く冷たい風が吹いてきた。
「うあ、今日は寒いなぁ」
憂鬱になりながらも下へ降りてあの子が来るのを待つ。
いつも下に居ると必ずあの子が来る。
そして、いつも登校は一緒だ。
と、言っても僕は一緒に登校したいなどとは思っていない。
あの子が急に着いてくるようになった。
だから、自然に登校は一緒になっていた。
アレ…
何で僕あの子が来るの待っているんだろう?
そうだ。いつもは下で僕が出てくるのを待っているハズなのに。
何で僕が?
もうあの子と一緒に登校するのが日常になっていて、一人で登校できなくなっているのだろうか?
「馬鹿らしい」
急にあの子を待っている自分が馬鹿らしくなって学校へ向けて歩き出した。
あの子なら必ず来るだろう。あの子は遅れてくるのかもしれない。
もしかしたら休みかも…
まぁあの子が休んだことなんて今までなかったけど
一つ目の信号機を渡り、一度後ろを振り返る。
やっぱりあの子は来ない。
そして振り返っている自分に恥ずかしさを覚え、
慌てて前を向き歩き出す。
が、学校へ着く前に何度も何度も後ろを振り返ってしまった。
でもやっぱり君は来なかった。