ずっと一緒に…

□双子に宿る悪の心
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次の日もやっぱり瑠樺は学校に居た。

だけどやっぱり目は赤く腫れ上がっていて。

泣いてたんだなと気付く。



訳をきくと、どうやら昨日、

またあの康太とかいう浮気野郎が今度は緑の帯がとても似合う女といちゃいちゃしていたらしい。

まったく懲りねぇなぁアイツも。

こんなに可愛い瑠樺を置いて…

一発なぐりてぇ…

瑠樺は、悔しくなって緑の帯を買ったみたいだ。

金まで使わせるとか最悪だな。

一回でいいから殺したい。



「この緑の帯つければ彼も帰ってきてくれるかなって」

そう小さく言う瑠樺。

なに努力させてんだよ瑠樺に!

腹の中は煮えくり返りそうになっていたが

瑠樺に気付かれぬように冷静に真面目に答えた

「ああ、つかまず康太の目は腐ってるんだろうな」

真面目に答えた…はず。

ちょっと瑠樺が苦笑いしてるような気がするが気のせいだろう。



「なぁなぁ、赤也!」

一人の男子に声を掛けられた。

あれ?もうこんなに来てたのかよ。

いつの間にか俺と瑠樺だけが居た教室には数人もの生徒が入っていた。

うあ、全然気づかなかった。あっぶねー

「んだよ?」

機嫌が悪いから多少返事が荒くなったが気にしない。

「昨日な、サッカー部の部長の妹さんが殺されたみたいだぜ」

へー…部長のなー……

ん?…部長?…部長って…

「そんなっ!」

瑠樺が大きい声で過激に反応する

あ、部長ってそういや康太の事だっけ。

アイツ妹いたのか…ハッ!ざまぁみろ。瑠樺を置いて他の女と遊んでるからだ。

「へー…殺した犯人は?」

そう尋ねると

「んなのまだ分かんねぇよ。今サツが動き回ってる頃だろうぜ」

んだよ…つまんねーの。

その犯人を褒めちぎりたい。

よくぞやってくれた。

きっと瑠樺に惚れていた男子が

瑠樺が嫉妬に苦しんでいる事に気付いて殺ってくれたに違いない。

あー握手したい…

誰だろ?正体見せて欲しいんだけど…

つか二日連続で死体が出るっていうのもおかしな話だな。

まぁこんな可愛い瑠樺を殺そうヤツなんているわけねぇだろうけど。

「切原さんも気を付けなよ」

とぶりっこ女子が瑠樺に話しかける。

うあアイツいっつも瑠樺の悪口言ってる奴だ

気持ち悪っ…気安く瑠樺に話しかけんなよブスが

つかアンタの方が気を付ければ?

アンタの方が殺られやすいんだしさ。

まずこんな可愛い瑠樺を傷つけようとする奴がいるわけない。

そんなヤツいたら潰しに潰…いや殺した方が良いな。

とりあえず大丈夫だから。話しかけんな。

「あ、うん。有り難うね」

無性に言いたかったけど瑠樺がいるし…傷つく顔見んの嫌だし…

やめとこう。

今だけ。

瑠樺がこれ以上傷つく所なんて見たくないから…

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