復活 long

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「ミシェルちゃんの弱点?」



「そっ。
アイツが入ってからそろそろ二週間?ぐらい経つじゃん?
なんか、そういうのも知りてえなーって」


「そこで好物じゃなくて弱点ていうのは、些か気になるけど。
ムム、確かに気になるね。
彼女の弱点」


さっすがマーモン、話が分かる奴。

ご褒美に更に頬を突ついてやったら手を払いのけられた。

そういう所はノリワルイのな。



「弱点、ねー。
まあ、知っておけば後々トラブルにならなくて済むだろうしねぇ」

「は?トラブル?」


「例えば、ミシェルちゃんが雷苦手なのにレヴィと組まれたりしたら、仕事にならないでしょ?
トラブルっていうのは、そういうトラブルよ」


「あー、なるほど。
てか、あんな変態雷オヤジには、ミシェル組ませちゃダメじゃね?」

「何を言うか!!ベルフェゴール!!」


変態雷オヤジの怒号を無視してミシェルの弱点とやらをちょっと考えてみる。


ってか、さっきからなんでスクアーロ黙ってんの?

「なんでスクアーロだんまりしてんの?
腹いてぇの?」


「・・・そんなんじゃねぇが・・・・・・。
言ったらそれなりに問題が起きそうなんだよなぁ…」


「は?
何ソレ?よく分かんねぇから言えよ」


と言ってもだんまりを決め込むスクアーロ。
その表情は、なんというか居心地悪いというか、焦りも少し見られて。

更にクエスチョン。


「ベル君。
全部聞いてましたよ?」


思わず固まるオレ。

するとスクアーロが座っていたソファの影、ちょうどオレから見えない位置からミシェルがひょこっと姿を現した。

やっちまった。


「私の弱点知りたいんですか?
駄目ですね、そういうのは本人に聞くとかしなきゃ。
失礼ですよ。」


「お前が言うな」


「まあ、今となっちゃどうでもいいけど。
・・・そうですねえ、じゃあ、ゲーム形式にでもしましょうか?」


「は?ゲーム?」


顎に人差し指を当てて、にっこりと微笑むミシェル。

状況が状況じゃなければ、普通に可愛いと思えるだろうけど、今じゃ怖いだけだ。


「明日一日、貴方達に私の弱点を探す猶予をあげます。
その間に晴れて見付かれば貴方達の勝ち。
その代わり、見付からなければ・・・」


そこでミシェルはふっと表情を変えて、黒い笑みを携えて言った。


「翌日一日、貴方達の誰か一人、私の言う事をなんでも聞きなさいな。
拒否権?そんなものトイレに流しなさい」


ゴクリ、と生唾を飲み込んだ。
ミシェルはそれからごく楽しそうに扉まで歩み寄って、扉を開けかけてそこでこちらを振り返って言った。


「明後日、誰かが私のアシカ野郎になる前に。
せいぜい、頑張って弱点探してくださいね?」


それから扉を静かに閉めて廊下へと姿を消した。
談話室には、さっきまで無かった静けさで包まれ、重たい空気が漂っていた。

最後のアシカ野郎が引っかかったが、スクアーロが何故か頭を抱えていたので、ちょっと聞ける雰囲気ではなかった。


これは、頑張んないとなあ。


「おい、スクアーロ、」

「おいテメェら!!!!
全身全霊を以って、アイツの弱点見付けるぞゴラァ!!!!」


・・・・・・なんで、コイツこんな変な汗流しながら余裕というものを完全に無くしながら必死なの。
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