dreamB

□消えずに終えたい
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嬉しくて堪らない。握り返してくれる手や、名前を呼んでくれる声が。


「きっと、好きなのでしょう」

「どちらが」

「どちらも、です」


握る手に力が込められた。離してくれないつもりですか。目の前の顔は相変わらず笑顔であるので、怒りの込められた表情を返してみた。


「ヘイハチ殿、何をするおつもりで?」

「いやはや、どうにも貴女は鋭い!」


しかし笑う。自分が数秒前に何をしでかそうとしていたかを棚に上げて。


「好きです」

「ヘイハチ殿、」

「愛しています」

「ですが、ヘイハチ殿!」


笑顔で吐かれる声が泣いていた。寂しいのでしょう、怖いのでしょう。ならば無理をなさらずに。それでいて、しっかりと。


「生きて下さい」

「ですが私は、」

「心中ならば戦の中で共に致しましょう」

「…」

「だから今は生きるのです」
















(070814)
だってほら、貴方に似たてるてる坊主が泣いているではありませんか。

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