どうやら俺は想定外な物事に関して動揺を隠せない男らしい、と言えば情けないと駄目出しを喰らわされた。
「情けなくて結構。俺はそういう男なんだよ、悪いか」
「悪くないとでも思ってんの?」
「あぁ!」
客観的に見れば母親に叱られてる反抗期のガキ。いや、反抗期のガキだってもう少し良い言い訳をするだろう。
「大体、味覚おかしいんじゃない?」
「おかしくねぇよ」
「普通はご飯にあんなに大量にマヨネーズかけたりしない」
「朝飯に納豆飯3杯も食った奴に言われたかないわ!つか、そんな話してんじゃねぇだろ!」
本気のボケにツッコミを返しつつ、逸れていく話を戻す。マヨネーズや納豆なんてどうでも良いのだ。いや、マヨネーズはどうでも良くないけど…つまり今は良いという意味で。
「もう万屋には近づくな」
「何で」
「…色々と危ねぇから」
「ふーん」
嫉妬なんでしょ、と見透かされてしまった。想定外な物事は苦手だと言ったのに。