子供のいる幸せな家庭を築いていこう。ありきたりなプロポーズの言葉にも関わらずときめいてしまったのは、雰囲気と若気の至りの所為。今同じ言葉を言われたとしても苦い笑みが漏れる事に間違いはないだろう。
「俺とお前の子供つったら相当だぜ?天下なんか3日で穫れる」
楽しそうに未来計画を語る元親に顔が険しくなった。不本意な結婚ではあるものの子供のいない新婚期間を楽しんだって良いのではないか。それともやはり私は後継ぎ存続の為の性交相手に過ぎないのか。悲しい。それに私は決して元親が嫌いな訳ではないのだ。むしろ好き過ぎるから壊れるのが怖くて。
「駄目だ…私、」
「なっ、!」
「きっと子供に嫉妬しちゃう」
「…惚れるぞ?」
それはそれで嬉しいと私を抱き締めるその顔は笑っているようだった。愛し過ぎる。気持ちばかりが溢れてしまう。
「私だって、元親から出来た細胞で生きたいのに」
「お前なぁ…マジで惚れるぞ?」