ピリピリと舌を刺激しながら流れ込む。大量の気泡が入った透明な液体。炭酸水。サイダー。
「急に飲みたくなるんだよねー」
「ん?」
「炭酸って」
「あぁ、確かに」
簡単に同意する彼の喉がコクリと上下に動いた。きっと飲み込んだのだ、あの液体を。妙なくらい冷静に観察をしたら喉が鳴った。私の喉もあの液体を欲している証拠だ。
「そんで、たまに会いたくなるんだよね」
「誰に?」
「銀ちゃん、に」
そうしてじっと目を見つめて話しても奴は微動だにしない。慣れているのか、鈍感なのか、興味がないのか。どっちにしろ嫌だなぁと眉間に皺が寄った。
「お悩み?」
「え?まぁ…うん、お悩み」
「相談すれば良いじゃんか」
「…誰にさ」
「銀さん以外に誰がいるっていうの!」
ドンっと胸を叩く姿に些か頼もしさを感じた事が悔しくて堪らない。