dreamA

□爽やかな少年に告ぐ
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心配など無意味な事だ。荒れ狂う海にも勝る荒くれ者なのだから、何も心配などないのだ。そう自分に言い聞かせた8月。


「さよなら」

「やめろ、寂しくなるじゃねぇか」


彼の首に腕を回す。いつの間にか私の背を超えた身体は思いの外逞しかったので、置いてかれた気がした。


「気が向いたら帰って来っからよォ」

「もし、気が向かなかったら…?」

「お前には会いたくなるよ」


見つめる瞳が優し過ぎて離れたくない気持ちに拍車がかかった。どうせなら酷く突き放してくれれば良いのに。


「姫若子のくせに」

「ァあ!?」


本当は、それも愛情表現のひとつなのだと解っていたのだが。
















(080713)
我慢するから、だから…。
帰って来たら私を嫁に!

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