dream@

□解らなくて良い
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「それは恋、ではないですかねぇ」


ぼんやりと縁側から外を眺めていると背後からヘイハチさんの声。


「恋、ですか…」


彼の言葉を少しばかり復唱するがそのような素晴らしいものではないような気がした。少し離れて縁側に座るゴロベイさんが若いのは良い事だと感心の一言を漏らす。


「そもそも私は誰を好きなんでしょうか?」

「おや、」


これは驚いたとばかりに細目共々に眉が上がる。つられてこちらも目を見開いた。


「考える間でもありませんよ」


何故かしら彼はいつも以上に笑顔を見せる。これが彼なりの答えなのだろうが、ちっとも答えになっていませんよと首を傾げれば遠くでゴロベイさんが軽く吹いた。何故。


「いやぁ強敵ですな、ヘイハチ殿」

「まったくです」


強敵とはつまり私はヘイハチさんに敵視されているのでしょうか。解らずにまた首を傾げてみれば解らなくて良いと声が二つ重なった。




















(070523)
結局、私が好きなのは誰であったのか。

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