dream@
□それを出来ない
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消えてしまいそうな風前の灯、なんて馬鹿な。
彼はこんなにも激しく燃えているのに。
「髪切ったんだ?」
「イメチェンだ」
「ふーん、切られたくせに…」
「黙れ。これはバッサリカットといって最新のヘアスタイルの―…」
自尊心の高さは好きじゃない。いつも最初の一言は言い訳だから。
弱みを見せて斬られる相手じゃあるまいし。
「素直になった方が良いと思うんだけどなぁ」
「俺は素直だろう?」
「たまに、そうじゃないから言ってんの」
根元は素直過ぎて自尊心の欠片もないと知っているからこそ、自尊してしまう根元を絶ちたくて、絶てなくて。
「銀ちゃんは…」
「安心しろ、奴もまだ生きている」
(070625)
それを絶てるのは銀色の彼だと気付いてしまった。