Short Story
□P.Game-convey-
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「やっちゃえよ〜っ」
一人の男子(慧)がそういうと、周りも合わせて言い出す。
「む、無理だって…、てかみんなきーてるっ?!」
騒いでいる彼らには幼助の声は聞こえなかった。
ポッキーはどんどん短くなっていく。
そして周りの歓声も大きくなる…
最後の一口をお互い食べた所で、事件はおこった。
「っ…ん」
みんなの見てる前で拓人がディープキスをしてきた。
昨今食べていたお菓子の味がする。
この状況に顔がどんどん赤くなっていく。
やっと口を離したと思ったら、周りの視線が凄かった。
なんというか…
こいつらまさか!みたいな。
「…」
どうすればいいんだろう、この状況…
今更逃げ出せるはずない。
どうしてこんな状況になったかというと、電車の中でお菓子を食べ始めたからだった。
みんな普通に自分のを食べたり、友達の持ってきた物と交換しあったりして、少し騒がしくなるところまでは修学旅行ならではなので普通に良かった。
まあ、帰りなのにこんなに騒いでいるのは不思議だが…
でも、ただ交換したりするだけではつまらなくなったのか、ポッキーを持っていた慧が
「ポッキーゲームやんね〜?」
と言い出した。
本人は言い出したくせにやりたくないのか、誰にやらせるかという話になり、もちろん誰も手をあげないのでじゃんけんで決める事になった。
それでたまたま俺らのペアになったのである。